「小笠原の海が好き!」
リピーターの方々からよく聞くのはこのお言葉♪
あの美しい小笠原の海を都内で見られるスポット!
それが東京スカイツリータウンにある「すみだ水族館」です!
東武線や地下鉄の駅から歩いてすぐの東京スカイツリータウン・ソラマチに「すみだ水族館」があります。ここには「小笠原諸島の海」が再現されている「東京大水槽」※1があり、開館前から小笠原村とタイアップした力作の水槽が展示されています。
ボニンブルーの世界を照明ライトで再現しているとても美しい色合いの中、小笠原諸島の海からやってきた優雅に泳ぐシロワニ(サメ)やマダラエイの大型種をはじめ、群れで泳ぐ姿が素敵なノコギリダイ、ヨスジフエダイといった小笠原の水中ではよく遭遇するような魚たちが仲良く暮らす空間をみることができます。
実はここ数年、新規の搬入をしていなかった大水槽!
そろそろ6年ぶり(2013年12月以来)に島から新メンバー達を連れてきてあげよう!!
という事で水族館の展示飼育チームが立ち上がりました!
小笠原諸島まで赴き、島で特に多く見られる珍しい黄色のミナミイスズミや、小笠原でよく観られるヨスジフエダイやノコギリダイの群れなど200匹近くを目標に、飼育スタッフが集めに行ってきてくれました!
採集方法は、なんと釣り!!島の方々とタッグを組み、朝から昼過ぎまで魚を追いかける日々
小笠原から野生の個体を連れてくるのって、じつは結構大変なんです。
自宅で海水魚を飼育している方々は、港や磯での磯釣りやタイドプール等から網で採集してくる。またはお店で好きな魚種を選んで購入し、連れて帰るというのが一般的ですよね。
でも今回は水族館用、さらに遠く離れた島からの採集です。大水槽用なので、魚種は大自然から狙った種類だけを大量に採集して連れて帰るというミッション!
採集の仕方はどうしたんだろう?何か独自の採集方法があるのかと聞いてみたところ
今回この新メンバー達はすべて釣りで採集!!!だったんですよ!
その数なんと、リーチ数も合わせると1000越えとなるとか!!
1000ですよ!!!びっくり仰天!です。
父島の小笠原島漁協共同組合の方々に協力してもらい、ほぼ毎日、明け方朝6時から昼過ぎまで時間をかけて追いかける。
出張に行かれた時期は、荒天がつづき海は比較的荒れていた日々が多かったそうです。
採集した魚達は漁協組合の方々にもご協力頂き、屋内養畜水槽と活魚輸送タンクをお借りしていました。移送をする際も組合の方々にお手伝いしていただけたそうです。
修行の日々のおかげで飼育スタッフのみなさま、島民のように、いや!漁師さん達のように!いい色に日焼けして帰ってきていました!努力の勲章!凄腕のテクニシャンになったことでしょう!笑
おがさわら丸乗船!24時間の旅を終え、たどり着いた東京は島との気温差10度。ここからの作業が1番つらい?!
乗船準備が整った活魚輸送タンクはコンテナと同じ列に並んで乗船します。
そう、船内ではなく、船外に乗ってくるんです!寒そうですよね。
でも大丈夫!大島付近までは外洋の海水をくみ上げ、水槽内の水を換水しながら進んでいます。しかし、黒潮の暖流を越えると、水温も下がり、くみ上げの水は止めて移動をしなくてはならない為、魚たちにとってはだんだんと耐久戦となります!
時々状況を確認していたスタッフさん曰く、魚達はいたって変わらない様子でしたが、水温が徐々に下がってきている状況にむしろスタッフが慌てていたそうです。
1000㎞の長旅を終え、ついに東京到着!!
おがさわら丸は1度、竹芝桟橋でお客様をおろしてから、芝浦ふ頭にて貨物を降ろします。
その為、陸に接岸できたのは16時。
順番に貨物コンテナを陸へ移動させて、いざ!海水魚タンクも陸へ到着!!
ここで、島へ出張していたチームと水族館待機チームが合流し、活魚車ドライバーの伊豆中央水産(株)の方々も到着していました。
みなさん海水魚担当のプロの方々でしたので、搬入の話や小笠原につながりのある話も余談で教えて頂けてとても楽しかったです。
陸地到着後は、タンク内へライトを照らして水温計測とタンク内状況をチェック!
この日は外気温も低下していたため、急いで活魚車の海水とタンク内の海水を”手作業”で水温を合わさせる作業を開始しました。
海水の水温調整の工程は1番重要なポイントです。水温差がありすぎると移した時に魚が弱ってしまうことがあります。また、これだけ多くの個体を入れている環境なので、海水にもより多くの空気を混ぜてあげないと窒息死してしまうこともあるので、エアーポンプもフル稼働で対応しています。
ここで扱う網も皮膚に傷がつかないような素材のものです。
だんだんと夕暮れから夜の空に変わり、気温も下がってきているのを感じつつ、レインボーブリッジの期間限定ライトアップに皆さんも気づき、おが丸とセットで見れてお得感♪を感じたのでした。
水合わせを終えて、徐々に魚を活魚車へ移し替えがはじまりました。
タンク内はスタッフ一人のみが入れるサイズなので、黙々と魚をかき集めて・・
かき集めた個体を袋ごと渡してリレー方式で活魚車へ移動です。
丁重に魚を捕獲しないといけないので、1番大変だったのは、タンクに入っているスタッフさんだったのかな~と見ていて思いました。
作業が終わったのは18時過ぎ。
ここまでの作業は最終的に2時間越えの長丁場でした!
さあ!もうすぐで大水槽だ!旅のクライマックスはみんなでゴール!
芝浦ふ頭での作業が終了してからすぐ車を走らせ、東京スカイツリータウンへ。
水族館到着後は、他の担当スタッフの方々も総出で搬入作業開始、すみだ水族館の広報の方々もここから一緒に見学です。
ようやく明るい所にやってきたお魚たち!
ここでようやくご対面出来たスタッフの皆さんからの歓声は
きれい!大きい!よくここまで耐えて来てくれたね!
こんにちは!ようこそ~!!!もうすぐで新しいお家だよ~!
と目を輝かせてお魚たちに話かけていました。
なんだか先程まで同行撮影をしていた私まで嬉しくなるほどアットホームな空気に包まれていました~。
ここでの最終搬入作業はひたすら、活魚車→水族館用の手押し移動水槽タンクに移動→大水槽のバックヤードがある6階へとエレベーター移動→バックヤードで運びやすいように数匹ごとに袋へ移し替えて・・・
すみだ水族館は商業施設の上層階に位置する施設なので、海沿いに位置する他の水族館に比べると、ここまでの移動搬入作業はとても大変な作業と感じているそうです。
それでも最後の最後まで大切な魚達への多大な心配りをされていました。
そして、いよいよ!担当リーダーさんが個体の最終チェックをしたら、バックヤードは狭いので数匹ずつ移し替えた袋をリレー形式で水槽まで渡して、特設生け簀へ搬入。
ぞわぞわーーーーーー!っと新しい世界へ飛び込んでいく新メンバー達!
その姿に感動~~~~~!
すべての魚が水槽へ合流した後は、ゆっくりと新メンバーで固まっている群もあれば、同種の個体に仲間入りしていくのも居て、あっちもこっちも見るとこ沢山!
見学者それぞれ歓声をあげて楽しんで見ておりました。この時間は閉館間近でしたが、残っていたお客様も一緒に喜んでみていました。今回、主で動いていた展示飼育チームの皆さんはホッと一区切りついて安堵していたご様子。
今回すみだ水族館までたどり着いたお魚さん達も、そしてこのプロジェクトを成功へと導いた展示飼育チームスタッフのみなさま、長旅、本当にお疲れさまでした。
大水槽の放流後の様子はこちら
今回最終的に搬入できた数はなんと!!!295匹!!!!
2012年開館以来、ひさしぶりに大賑わいの大水槽となりました!ぜひ!お近くにお越しの際は、新メンバー達に会いにすみだ水族館へいってみてください。
小笠原の癒しのパワーをもらえますよっ!ぎゅぎゅっと吸収していってくださいね~
※1※2→「東京大水槽」の名称は2020年7月16日より「小笠原大水槽」へ名称が変わりました。
すみだ水族館 情報
すみだ水族館では、新型コロナウイルスの感染予防対策を整えた上で、2020年6月15日(月)より営業を再開しました。
今後の営業は、厚生労働省から公表された「新しい生活様式」および公益社団法人日本動物園水族館協会による「動物園・水族館における新型コロナウイルス感染対策ガイドライン(暫定版)」などの関連する団体のガイドラインに基づき、一時間あたりの入場者数の制限をはじめ、入館前のサーモグラフィーによる検温の実施、定期的な換気などの「三密回避」と「衛生管理対策」を行っています。
入場料:7/16(木)からの新料金に変わります。
大人2,300円、高校生1,700円、中・小学生1,100円、幼児(3歳以上)700円
またご入場にはチケットの他に整理券が必要な曜日もございます。
※営業時間やチケット情報は変更になる可能性がある為、詳しくはこちらのすみだ水族館HPからご確認ください。
住所:
〒131-0045 東京都墨田区押上一丁目1番2号
東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F
アクセス:
東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」駅 すぐ
東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線・京成押上線・都営地下鉄浅草線「押上(スカイツリー前)」駅 すぐ
新情報!新しいエリアがすみだ水族館に誕生します!!
日本最大級 長径7メートルの水盤型クラゲ水槽「ビッグシャーレ」などの新クラゲエリアと、飼育作業を間近で観察することができる「アクアベース」が7月16日に誕生!リニューアルオープンします。
こちらも是非!チェックしてみてくださいね
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