観光

リピーター目線で伝える小笠原ワーケーション体験記

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小笠原で初めてのワーケーション

ワーケーション1

滞在中はダイビングも楽しみました

小笠原諸島・父島にて、3航海(約3週間)のワーケーションをしてきました。

ワーケーションとは、「ワーク」+「バケーション」の造語で、旅先で仕事をしながら滞在するというスタイルのことです。

会社以外のところで仕事をするリモートワーク・テレワークという仕事の仕方が、コロナ禍で定着した2020年、ワーケーションも少しずつ注目を浴び始めました。

私自身も週3日は自宅で仕事をするようになりました。

過去二度の旅行ですっかり小笠原が好きになってしまった私は、なるべく長く小笠原に滞在すべく、有給休暇とリモートワークをうまく組み合わせて、初めてワーケーションというスタイルで小笠原に滞在しようと決めたのです。

今回は、ワーケーションとして過ごす小笠原の情報を、リピーター目線でお伝えします。

ワーケーションとしての小笠原での過ごし方

ワーケーション2

仕事がお休みの日には海に泳ぎに行きました

小笠原で実際にリモートワークをしたのは週に2~3日です。
他の日は、ダイビングをしたり、トレッキングツアーやドルフィンスイムツアーに参加したりと、観光を満喫しました。

小笠原は定期船『おがさわら丸』が二見港に停泊している「入港中」と、東京・竹芝へ向かい再び二見港に戻ってくるまでの「出港中」で、島の雰囲気が大きく変わります。

出港中の方が、観光客が少なくのんびり過ごせるため、個人的には出港中の方が好きです。

1航海の旅程ではその雰囲気を味わうことができないため、お時間の取れる方はぜひ2航海以上にすることをお勧めします。

私の場合は、事前に任意で仕事日を設定することができたため、入港中に仕事日を設け、出港中に思う存分遊べるようにしました。

とてもメリハリのある生活ができたので、仕事もはかどったように思います。

自宅で仕事をするのも小笠原で仕事をするのも同じ「リモートワーク」ですが、気分転換に少し散歩に出ただけで美しい海がある環境というのは、想像以上に開放的な気持ちになりました。

ワーケーション3

宿から数分歩いただけでこの極上の海

小笠原での仕事環境や通信事情

ワーケーション4

Wi-Fiがあるからカフェなら仕事もできます

ワーケーション5

仕事で疲れたら甘いもので糖分を

ワーケーションで気になる通信事情ですが、父島は全く問題ありません。

モバイルWi-Fiこそ通じないものの、宿にはWi-Fiが完備されている場合がほとんどです。

スマートフォンのデータ通信は、島の裏側や森の中、山の上など通じない場所もありますが街中で通じないことはないため、テザリングが利用できる人はどこでもパソコンを広げて仕事をすることができそうです。

私は相部屋の宿に宿泊していたため、仕事の日は宿の共有スペースをお借りして仕事をしていました。小笠原の宿には様々なタイプがあります。

個室の場合は一日中部屋にこもってパソコンを広げていても問題ないかと思いますが、宿の共有スペースを利用する場合は、他のお客さまもいるため、事前にお断りを入れておくのがいいと思います。私も渡航前に一言連絡をしておきました。

宿だけでなく、小笠原にはWi-Fiが完備されたカフェもいくつかあります。午前中は宿、午後はカフェと、場所を変えて仕事をする日もありました。気分転換になるし、そこで会話が生まれて新たな人間関係もできたりして良い刺激になりました。

「ワーケーションで小笠原に来た」という話をしても、それほど珍しがられることはありませんでした。最近増えてきたからというよりも、フリーランスで働く人や個人投資家などパソコンひとつで仕事ができる職種の人たちが小笠原に来ることは、以前からあったようです。

小笠原は東京都に属しているせいか都会的な雰囲気を持ちながらも、同時に落ち着きもあり、居心地の良い島だと感じています。

それは一度訪れると最低でも3泊4日滞在しなければならず、いつでも出入りできるわけではないという特殊な環境ゆえかもしれませんが、ワーケーションがやりやすいのは、その「都会性」と「居心地の良さ」の両立ができているからなのかもしれません。

ワーケーション6

仕事終わりに夕日を見に行くのが楽しみでした

小笠原で見かけたコロナ対策

ワーケーション7

見送りのおがじろうもマスクしていました

最後に小笠原で見かけたコロナ対策についてご紹介します。

まずは、定期船『おがさわら丸』。乗船前にはPCR検査を無料で受けることができます。

事前に東京・竹芝桟橋にて検体を提出し、陰性であれば乗船ができます。島にコロナを持ち込まないためにもPCR検査を受けてから渡航するようにしましょう。なお、島内でもPCR検査受験済みの人しか受け付けないツアーや、入店を許可していない飲食店などもありました。

スーパーや施設はマスク着用が必須で、着用していない場合は入店できないことがほとんどです。また、「来島されて2週間未満の方は入店をご遠慮ねがいます」と掲げているお店もいくつかありました。

ワーケーション8

店によって対応は様々です

おがさわら丸も乗船人数を半減させていたり、宿泊施設も人数制限をかけていることが多いため、普段よりは人の少ない静かな小笠原でした。

私は訪島2週間前から人に会うのと不要不急の外出を控えて静かに過ごし、PCR検査を受けたうえで小笠原へ出かけました。

コロナ禍において旅行に出かけることの賛否両論はありますが、自分でできる限りの対策をし、宿や施設の求める感染対策(マスク着用やアルコール消毒)に従いながら過ごした約3週間は、今回も多くの人との出会いもあり、実りのある時間を過ごすことができました。

楽しみながら過ごせたワーケーション

初めてのワーケーションという試みを、慣れた場所で実践することができたことはとても良かったです。知り合いもいて、プチ移住のような体験ができました。

ひとつ残念だったことをあえて挙げるとすれば、天気や海況が絶好でも、仕事だったら黙々とパソコンに向かわなければならなかったことです。周りの人が意気揚々と遊びに出かけるのを指をくわえて見送るのは、とてもつらいことでした(笑)

自分で日毎に仕事日を調整できる人は、事前に仕事をガチガチに設定するのではなく、滞在中の天気と相談しながら仕事をすることを心よりおすすめします。

ワーケーション9

仕事の休憩時間に、おがさわら丸を見送りしに行った日もありました

以上、リピーター目線で伝える小笠原でのワーケーション体験記でした。

小笠原はとてもワーケーションがしやすい場所の一つだと思います。
どこかでワーケーションをしてみたいなと検討中の方はぜひ、小笠原を候補地に入れてみてくださいね!

アイコン画像(ありこ)

島旅ライター

ありこ

離島にハマり、時間を見つけては南の島に足を運ぶ都内在住の会社員。沖縄諸島を中心に50以上の離島を訪れ、最近では無人島へもよく行っている。マリン系雑誌の編集ライターの経験があり、離島に行くと細かいところまでチェックするのがクセ。
写真を撮りまくる傾向がある上に地図に弱いため、島内巡りには時間を要する。他の人があまり行かないマニアックな離島やエリアに行くのが好き。離島では島民や旅人と話している時間が何よりも楽しい。
Instagramはユーザーネーム ariko_marine で検索。離島に特化したブログも運営中。こちらのURLからどうぞ。

https://arikoblog.com/