文化・歴史

特別展「小笠原の棘皮動物展」を観に行こう!!

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01_ポスター

小笠原ビジターセンター夏の特別展「小笠原の棘皮(きょくひ)動物展」~潜れども潜れども不思議ころがる海の底~ 好評開催中!

本特別展の主人公は、棘皮動物(ナマコ・ウニ・ヒトデ・クモヒトデ・ウミユリ)です。

住んでいるのは海の中。穴に隠れていたり、石の裏に潜んでいたり、海底でじっとしていたりと地味で、あまり知られていない存在と言えそうです。

そんな謎に包まれた小笠原の棘皮動物の世界の紹介です。

本特別展は、標本が多数あり、水槽での生体展示や、顕微鏡で見たり、手に取って触ってみたりできるコーナーもありますので、お子さまから海の生物に詳しい方まで、幅広い世代の皆様にお楽しみいただける内容となっています。

展示内容はこちら!

解説は、イラスト付きで専門的なこともわかりやすいです。

以下の綱(こう)毎に、小笠原の環境下における情報が紹介されています。
※「網」とは、生物の分類における階級のひとつです。

(1)分類 (2)カラダの仕組み (3)繁殖 (4)ウミユリ綱 (5)ヒトデ綱
(6)クモヒトデ綱 
(7)ウニ綱 (8)ナマコ綱 (9)共生生物 (10)天敵
(11)深海 (12)利用 (13)進化 

今回はその一部をみなさんにご紹介します。

エントランス風景

カラダは星型

棘皮動物に共通するカラダの仕組みは「五放射相称(ごほうしゃそうしょう)」です。

人類も含めて地球上の生物は、ほとんどが左右対称の形ですが、棘皮動物は、左右対称動物でありながら、星型や五角形を基本構造とする珍しいグループです。

棘皮動物として代表的な形は、ヒトデの形が思い浮かびますね。ウニはトゲを取った殻の表面がとても美しい幾何学的な五角形をしています。ナマコはわかりにくいですが、肛門が星型になっています。

私たちと違いすぎて、しみじみと生物多様性が感じられます。

不思議ころがる海の底

地味だと思っていた棘皮動物ですが、五角形のカラダや、水管系というユニークなシステムで動く無数の足皮膚の硬さが変えられるキャッチ結合組織、また、有性生殖での繁殖かつ無性生殖での高度な再生能力など、その個性は知れば知るほど魅力的です。

同じ地球上で、同じ時代を生きていて、こんなにも変わった生き物がいたとは!

小笠原ではウミユリやクモヒトデについては、まだまだ調査されていないことも多いようです。副題の「~潜れども潜れども不思議ころがる海の底~」は、小笠原の海によく潜って調査している研究者(本特別展の企画者)の生の声なのです。

展示風景

環世界を生きる

展示各所にその展示内容に合ったコラムがあって、とても面白いのでお読みください。

研究者(本特別展の企画者)が、展示物を見ている皆様へ特にお伝えしたいことが書かれてあるようです。

14枚ある内の最初のコラムをここでご紹介!

それぞれの生き物はそれぞれの独自の世界「環世界」を生きているという考え方についてのコラムです。

このコラムを読んでから、すべての展示を見終わると、海の底であまり動かないで生きている棘皮動物の世界が、とてつもなく独特なので、「環世界」の考え方が深く実感できます。

今この瞬間も同じ地球上で、棘皮動物はじめ、すべての生き物は独自の世界を主体的に生きているのだなと思うと、自分の視野が広がります。

棘皮動物の不思議な環世界に思いを馳せていると、なんだか、すべての生き物の還世界を大切に思う気持ちが芽生えてくる、本展にはそんな不思議な力があります。

特別展「小笠原の棘皮動物展」は10月9日までの開催予定です!

皆様どうぞ「小笠原の棘皮動物展」を観に小笠原へいらしてください。
皆様のご来館を小笠原ビジターセンターでお待ちしております。

小笠原ビジターセンター

開館日
おがさわら丸・観光船入港中
午前8時30分~午後5時00分まで
*夜間開館日あり
*開館日については下記サイトからご確認ください。
https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/
*新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、臨時に休館することがあります。

問合せ
小笠原ビジターセンター
電話番号:04998-2-3001

VCオカヤドカリマーク

小笠原の情報発信基地

小笠原ビジターセンター・大神山公園

小笠原の歴史と自然情報が満載。
小笠原の情報収集は、小笠原ビジターセンターへお越しください!

https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/