内地で小笠原

小笠原の盆踊りは内地でも熱い! 小笠原ファンが集結する【内地盆踊り】とは?

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小笠原では年間を通じて様々な行事が行われています。その中でも、島民やリピーターから特に人気を集めているのが【盆踊り】。小笠原の盆踊りは、1986年から「サマーフェスティバル」の一環として行われてきました。その人気の高さから、内地(※)でもこれまでに3回、小笠原の盆踊りが開催されたことがあります。今回は内地で行われる小笠原の盆踊り、通称【内地盆踊り】をご紹介します。

※小笠原島民やファンの間では「本土」のことを「内地」と呼ぶ習慣があります。

 

内地盆踊りの歴史

内地盆踊りが初めて開催されたのは2013年のこと。会場は東京・立川で独立開業を目指し出店していた、小笠原出身の方のチャレンジショップ(後に「島想食堂」として開業)でした。

「内地で小笠原の盆踊りが開催される」という噂を聞いて、立川に駆け付けた小笠原ファンは約50名。会場では、同日に開催されていた父島の盆踊りが生中継されました。櫓に見立て並べられたビールケースの上におがじろうが立ち、参加者は島の盆踊りに合わせて踊ったそうです。今では知る人ぞ知る「伝説の内地盆踊り」として語られています。

それから5年後、小笠原諸島の返還50周年を記念して、村の事業として内地で盆踊りが開催されました。小雨が降る中、会場となった竹芝桟橋に集まった参加者は約2000人。これだけ多くの人が櫓を囲み、「ざぶざぶざっぷん!」」の掛け声とともに飛び跳ねて踊る内地盆踊りの光景は、小笠原村の議員の皆さんをはじめ、関係各所に衝撃を与えたそうです。

参加する人全員が一体となって盛り上がり、交流を深められる小笠原の盆踊りを、内地でも定着させるため、3回目の開催となった2019年には、島の盆踊りと同等の櫓を組むことを目標にクラウドファンディングを実施。226名から1,352,000円の支援金が集まったことに加え、島からも温かい寄付が寄せられました。さらに、芝商業高校による会場提供など、各所から様々な協力を得られた結果、内地盆踊りの参加者は約2500人にまで増加。2年連続で内地盆踊りは大盛況となりました。

小笠原盆踊りの魅力を考察する

多くの人々に愛される小笠原の盆踊り。そこにはどんな魅力が隠されているのでしょうか。

小笠原の盆踊りの最大の特徴は「参加型」という点です。島の盆踊りにも多くの観光客が参加しており、踊っている人の数が見物客の数を上回ります。踊り自体もシンプルかつ、同じ曲が何度も繰り返し行われるため、踊り方を知らない人でも習得に時間はかかりません。参加者が一体となって踊る楽しさは、小笠原の盆踊りの魅力のひとつと言えるでしょう。

しかし、島の盆踊りが面白い!と噂で聞いていても、内地に住む小笠原ファンにとって、日程や乗船券、宿の確保等から、島の盆踊りに参加するのは至難の業。それ故、内地で開催される小笠原の盆踊りには多くの小笠原ファンが集まります。会場には「あの人、前に同じ宿で飲んだような…」という人がきっといるはず。久しぶりに会う小笠原友達との再会を楽しめるのは、内地盆踊りならではの魅力です。

小笠原に行ったことが無い人でも楽しめる

誰でも参加しやすい小笠原の盆踊り。飛び跳ねたり、ハイタッチをしたりと、踊り自体も楽しいものとなっています。踊り方が分からなくても、踊りの輪に入ってみることがポイントです。ちなみに、島では踊りが分からない方向けに「盆踊り練習会」も実施されています。

盆踊りに限らず、小笠原は観光客にフレンドリーな島です。その背景には、小笠原が辿って来た歴史があります。太平洋戦争時、小笠原諸島では全島民が強制疎開となり、島に暮らす一般住民はゼロとなりました。戦後も米軍統治下となり、帰島することが出来たのは欧米系の島民のみ。返還後も島へ戻る島民は多くありませんでした。

それから50年以上が経ち、現在小笠原に住んでいる島民の多くが移住者です。さらに、任期付きの行政関係者やリゾートバイトの方も多く、島民の入れ替わりが頻繁に発生します。島民の方が、いわゆる「よそ者」に慣れている風土と言えるでしょう。大自然はもちろんですが、小笠原の魅力として小笠原ファンからよく聞かれるのは「人」。内地盆踊りは、小笠原へ行ったことが無い人が、島の文化や風土を体感することが出来る貴重な機会です。

2024年 5年ぶりに小笠原の盆踊りが内地で復活

コロナ禍により、島でも内地でも中止が続いていた小笠原の盆踊り。2024年の夏を前に、これまでサマーフェスティバルを運営してきた島のイベント協議会が解散。一時は盆踊りの継続が危ぶまれましたが、盆踊りで太鼓を叩いてきた「ぼにん囃子」を中心とした有志の方々の尽力により、5年ぶりに島の盆踊りは復活しました。

こうした島の動きに呼応し、『小笠原DAY Vol.10』で内地の盆踊りも復活。当日は「小笠原音頭」や「マッコウ音頭」、「母島音頭」など、島の盆踊りに欠かせない楽曲が、11月の竹芝桟橋に響く予定です。会場で販売される法被や手ぬぐいなどの限定グッズも要チェック。島民・元島民の方はもちろん、リピーターや小笠原に興味がある方も一緒に、内地盆踊りで竹芝を揺らしましょう!アンコールの掛け声も忘れずに。

ページ運営者

小笠原村観光局

小笠原村観光局は浜松町に事務所を置き、旅行会社・メディア対応、イベント実施などにより小笠原観光の活性化・マーケティング活動を行っています。

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