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小笠原DAY vol.11連動企画 “小笠原あるある”結果発表!!

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小笠原DAY vol.11の連動企画 “小笠原あるある”では、小笠原を愛する皆さんが考える“あるある”を川柳で募集しました。2025年12月から2026年1月末までの約2か月間で、応募総数は943作品にのぼりました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

審査において大切にしたのは、「小笠原諸島でなければ生まれない一句であるか」という点です。旅先での感動といった普遍的な体験にとどまらず、この島の風土や暮らし、人のつながりまで思い浮かぶ作品を重視しました。同時に心がけたのは、小笠原をまだ訪れたことのない方にも情景が伝わること。訪れた人は深くうなずき、知らない人は思わず行ってみたくなる——そんな一句にこそ、“あるある”の魅力が宿るはず。

風景の美しさだけではなく、島での暮らしや空気感まで伝わってくる。“小笠原ならでは”の実感がある5作品を、小笠原DAY実行委員会が選出しました。

その1 ペンネーム:ニンテンドックス 様の作品

基本的に【6日に1便】という間隔で運航される定期船「おがさわら丸」は、旅客だけでなく島の暮らしを支えるあらゆる物資を運んできます。いわば本土と小笠原を結ぶ生命線。その船が父島に入港した日の夕方になると、届いた商品を求めて島民が一斉に動き出します。
なかでも父島のメインストリートに店を構える「生協」と「小祝」は、買い物客と観光客が入り混じり、通路を進むのもひと苦労なほどの大盛況。普段は落ち着いた島の空気が、この日ばかりはどこか高揚感に包まれます。入港日が生活のリズムをつくり、人の流れまで生み出している様子が目に浮かびます。

こちらの写真は、おがさわら丸の到着直後に撮影した、父島のメインストリートの様子。船や飛行機が日常的に行き交う島では、物流の到着そのものが“出来事”として意識されることはほとんどありません。一方、小笠原では船の入港が人とモノを動かし、島に小さな“祭り”のような気配を生み出します。
そして何より、「入港日 小祝生協 大盛況」と畳みかけるリズムの良さが秀逸。固有名詞をあえて並べることで土地の手触りが一気に立ち上がり、説明を超えて情景を伝えています。小笠原の日常を軽やかに、しかも的確に詠み上げたビューティフルな一句です。

その2 ペンネーム:くまち 様の作品

父島には島をぐるりと一周する道路があり、その東側を走る区間は「夜明け道路」の愛称で親しまれています。起伏に富んだこの道は交通量が少なく、島ならではの静けさに包まれています。原付や自転車をレンタルして展望台巡りを楽しむ人や、ゆっくりと景色の変化を味わいながら歩く人も多い道です。
そんな道中で目を引くのが、実に個性的な道路標識の数々。「ヤギに注意」の標識ひとつをとっても、デザインはさまざまで、思わず見比べたくなるほど。さらに天然記念物のオカヤドカリ、固有種のアカガシラカラスバトへの注意喚起が続き、最近ではタコノキの果実の落下に注意を促す標識まで登場しました。

本土では交通量や事故防止の観点から設置される標識が、ここでは島の生態系の豊かさを静かに語っています。道路を走っているだけで、この島がいかに多様な命に支えられているかを知らされるでしょう。
「標識が 多様な生態 物語る」は、見過ごしてしまいがちな風景の中に小笠原の本質を見出した一句。しかも、そこで示されているのは動物や植物だけではありません。ここにしかない内容を伝える標識そのものが、いわば“固有種”とも言える存在です。旅人の視線の確かさが光る、味わい深い作品でした。

その3 ペンネーム:洋パパ 様の作品

昼間に見たウミガメの感動が、そのまま夜の食卓の話題へ――観光地としての顔と、暮らしの文化が同時に存在する、小笠原のリアルを突いた一句です。小笠原諸島は絶滅危惧種・アオウミガメの日本最大級の繁殖地で、毎年5月下旬から7月上旬にかけて多くの個体が産卵のために上陸します。
一方で、小笠原にはウミガメを食べる文化が根付いています。先進国の中で、合法的に捕獲が行われているのは日本のみとされ、背景には、植民地拡大や捕鯨で欧米の船が太平洋を行き来していた時代、貴重な食料として捕獲された歴史があります。1854年には、父島に寄港したペリー艦隊が、食用としてアオウミガメを下田へ運んだという記録も残っています。

小笠原が日本領となった後はウミガメの捕獲が奨励されましたが、20世紀前半には捕獲数が激減。そこで、世界に先駆けて人工孵化・放流事業が開始されることとなりました。現在も年間135頭の捕獲が認められる一方、禁漁期の設定、許可制、体長制限などの規則のもとで保護・調査が続けられ、個体数の回復にも成功しています。
目の前で命の営みを感じ、その命をいただく文化もある――「かわいい」と「おいしい」が当たり前のこととして共存する――そこに小笠原という土地の奥行きがにじむ、見事な一句です。

その4 ペンネーム:のん 様の作品

一人旅の方が多い小笠原。東京・竹芝桟橋から父島までの24時間の船旅は、いつしか乗客同士の距離をゆっくりと縮めていきます。甲板で同じ景色を眺め、船内レストランや展望ラウンジで顔を合わせ、気づけば自然と会話が生まれている――そんな光景もこの航路では珍しくありません。
島に着いてからも、その縁は続きます。小さな宿が多く、エコツーリズムを基盤とした少人数のツアーが主流。3泊4日の滞在中で、再会を繰り返すうちに名前を知らずとも顔なじみになっていきます。島民の多くがこの島に魅せられて移り住んだ人たちであり、旅人同士をさりげなくつなげてくれるのもまた、この土地の懐の深さでしょう。

そして帰りは「あ、どうも」と会釈を交わす相手がいる。船内では思い出を語り合う声も聞こえ、同じ時間と風景を共有した者同士の、不思議な連帯感が漂います。偶然同じ船に乗り合わせた人々は、いわば小さな“運命共同体”なのかもしれません。
交通手段であるはずの定期船が、人と人とを結びつける場へと変わる瞬間を鮮やかに捉えた一句。小笠原DAYの会場でも、思いがけない再会があったのではないでしょうか。小笠原DAYというイベントが、皆様と小笠原とのご縁、そして人と人とのご縁を紡ぐきっかけになっていたら幸いです。

その5 ペンネーム:あや 様の作品

小笠原と聞けば、まず思い浮かぶのは海。その深く透き通った青は、英語の島名「Bonin Islands」に由来して「ボニンブルー」と呼ばれ、多くの旅人の心をとらえて離しません。
しかし、その青は決して一色ではありません。場所によって、季節によって、時間や光の加減によっても表情を変え、「青にもこれほどの違いがあるのか」と気づかされます。気づけばカメラの画像フォルダは青一色。後で見返したとき、「どれが本当のボニンブルーなのだろう」と考えてしまう――そんな体験に覚えのある人も多いでしょう。おそらく正解はありません。心に残った色こそが、その人にとってのボニンブルーなのです。

さらに言えば、ボニンブルーは海だけのものではありません。どこまでも広がる空の青、強い陽射しに照らされた島の鮮やかな色彩。それらすべてが重なり合って、小笠原ならではの風景を形づくっています。
「埋めつくす 画像データは ボニンブルー」には、思わずシャッターを切り続けてしまう旅の高揚感と、あとから静かに写真を眺める時間の豊かさがにじみます。読む人それぞれに、自分だけのボニンブルーを思い描かせる一句です。

“ベスト小笠原あるある”に選ばれた作品は?

小笠原DAY実行委員会が選出した5作品の中から、小笠原DAYにご来場いただいた皆様の投票で “ベスト小笠原あるある”を決定しました。結果はこちら!

ペンネーム:のん 様の作品「行きひとり 帰りのおがまる みな知り合い」が“ベスト小笠原あるある”に選ばれました。

改めて作品をご応募いただいた皆様、小笠原DAY当日に投票をしていただいた皆様、ご参加いただきありがとうございました。“小笠原あるある”は、おがさわら丸船内のデジタルサイネージでもご紹介予定です。

ページ運営者

小笠原村観光局

小笠原村観光局は浜松町に事務所を置き、旅行会社・メディア対応、イベント実施などにより小笠原観光の活性化・マーケティング活動を行っています。

https://www.visitogasawara.com