はじめに
小笠原村は小笠原の観光に共感いただける方、小笠原が好きな方に何度も繰り返して来ていただける島づくりを目標とし、これからの10年間の観光振興の方向性を示した小笠原村観光振興ビジョン「Ogasawara SMILE Tourism(スマイルツーリズム)」を掲げ、“ゆったり、つながり、島の自然を守りながら訪れる人も村民もそして自然も笑顔(SMILE)になれる観光地づくり” を目指し、プロモーションを行っております。プロモーション活動の一環として、オリジナル絵本とキャラクターを制作しました。
ここからは、絵本作者である久冨 哲兵(ひさとみてっぺい)さんによる寄稿文をお届けします。久冨さんの作品に込めた想いと、制作過程で生まれた裏話などにも触れていただきます。
0歳からの小笠原『めぐろ、めぐろ!メグロー』
好きなものを人に伝えるのってむずかしい。語りたいことが多すぎる小笠原なんかまさにそうで、「とにかく自然がすごいよ」では食い足りないし、かといって歴史や文化となると、どこから話せばいいのか分からない。
小笠原を紹介するときに、子どもにも分かりやすくて、大人でも楽しめるちょうどいいものないのかなぁ…ということで誕生したのが『めぐろ、めぐろ!メグロー』シリーズ。一見すると、小笠原の生きものをモデルにしたキャラクターたちが活躍する可愛らしい絵本。しかし、ただ可愛いだけじゃないのです。
生きもの図鑑として―専門家による本気の監修
固有種の宝庫である小笠原。そこの生きものを描く以上、生半可にはできません。ということで、第1弾は鳥類学者の川上和人先生、第2弾はすみだ水族館様という、生きもののプロフェッショナルに監修していただきました。この監修が実に面白く、奥深い。制作過程でも「専門家は生きものをこういう風に見ているのか!」という貴重な学びがありました。秘めておくのはもったいなさすぎるので、少しだけご紹介します。
<監修コメント> ※川上先生のコメントを筆者で編集
・カタツムリは基本的に右巻きなので、こちらだと裏側になる。殻の表側を見せるなら「右向き」がよい。
・基本的にカタツムリの目は触覚の先。よく誤解されているが、基本的なボディプランは誤解なきようにしたい。
<監修コメント> ※すみだ水族館様のコメントを筆者で編集
・ハサミは、威嚇のような広げ方ならば内側に指節がくるように掌節の線をもう少し広く。上げるときは両方を同じくらいの高さでより大げさに。
・歩脚は四対なのできちんと描く、脚部に少しでも毛があったほうがベンケイガ二っぽさが強くなる。
・鋏脚の付け根がもう少し顔側にないと、甲に顔があるかのような印象を受ける。
他にもたくさんあるのですが、すごいボリュームになってしまうので一例だけになってしまうのが残念です。生きもの好きとしてはたまらない経験でした。カタツムリって右巻きなんですね…!実際に島やすみだ水族館に行った際には、ぜひ本物と見比べてみてください。
ガイドブックとして―物語に情景も添えて
絵本では、生きものと一緒に島の景色もたくさん登場します。島を散策しながら(かなり個人的な好みも反映して)ふとしたときに思い出しそうな情景を切り取りました。
ここがどこかの答えは…あえて言いません。これからはじめて島に行く方には、訪れたときに「なんか見たことある景色だな」という不思議な感じを、リピーターの方には「ここはどこを描いているのかな?」と想像を楽しんでもらえると嬉しいです。
子どもたちの「みちしるべ」として
最後に、一番気持ちを込めたこと。第1弾の主人公メグロ「メグロー」は島の固有種、第2弾のアオウミガメ「ボニン」は海を回遊する生きものです。島で生きることを選んだメグローと、島を出て旅することを選んだボニン。各物語のラストは「見送る側」と「見送られる側」という対比で描いています。それでも、ふたり共通の拠りどころとして存在するのは小笠原。関わり方は違っても、それぞれの形で故郷を思い続けていれば、島もきっと思いを返してくれるのではないでしょうか。そう信じています。
旅好きからは「来るもの拒まず、去るもの追わず」と言われる小笠原ですが、島を発つときの心揺さぶる見送りで、こっちが勝手に追いかけてしまうようになるズルい仕掛けがありますよね。まんまと引っ掛かってしまった方は、この絵本を勧誘のアイテムとして、追っかけ仲間を増やしていきましょう!
みんなの「SMILE」を目指して
いかがでしたでしょうか?
今回は絵本作者の久冨 哲兵さんの寄稿文をご紹介しました。改めて絵本を読み返すと、絵本の背景にある想いやこだわりがより深く伝わり、物語の世界がいっそう豊かに感じられました。
小笠原への深い愛情と、生きものたちへのまなざし。そのどちらもが、物語の隅々まで丁寧に描かれた『めぐろ、めぐろ!メグロー』シリーズ。
知ること、感じること、好きになること、そして笑顔になること。そんな想いが込められた絵本なんですね。
さあ次は、この絵本を手に、小笠原という魅力的な島へ、あなたも足を踏み入れてみては!?
絵本の制作者情報
発行者:小笠原村/小笠原村観光局
作/絵:久冨哲兵/花嶋一平
ブックデザイン:小森円士
第1弾監修:川上和人(鳥類学者)
第2弾監修:すみだ水族館
おがじろう/メグロー監修:あらたひとむ
絵本の販売先情報(2025年8月現在)
■ 本土販売店
・すみだ水族館 館内ショップ
■ 島内販売店
【父島】
・小笠原村観光協会
・フリーショップ まるひ
・JA農産物観光直売所
・Heart Rock
・(株)フローラ
・小笠原海洋センター
【母島】
・母島観光協会
・前田商店
・パパイヤマート母島
■ その他販売店
・おがさわら丸「ショップドルフィン」(船内売店)
参考
Ogasawara SMILE Tourism小笠原村観光振興ビジョンについて
詳細はこちらをご覧ください。
☛小笠原村観光振興ビジョン






