文化・歴史

小笠原ビジターセンター特別展「島の船」

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小笠原ビジターセンターにて2020年1月18日まで特別展「島の船」を開催しています。
小笠原の生活には船の存在は欠かせません。旅客のみでなく食料や物資の輸送もすべて船に頼っています。また小笠原の歴史を知る上でも、船は重要な存在となります。

ここでは展示内容の一部として、「おがさわら丸」、「観光船とまぼろしの船」、「船と小笠原の歴史」をご紹介します!

「おがさわら丸」

特別展「島の船」ポスター

特別展「島の船」ポスター

父島二見港に入港したおがさわら丸

父島二見港に入港したおがさわら丸

明治より東京-小笠原航路では定期船が運航していました。(「島の船」ポスター参照)
1979年4月に初代「おがさわら丸」が就航し、現在の船は3代目になります。

航海時間は、おがさわら丸以前の「父島丸」が片道38時間、初代おがさわら丸は28時間半、さらに2代目は25時間半、現在では24時間で東京-小笠原間を結んでいます。

また長時間の外洋航海となるため、初代おがさわら丸からは
横揺れ防止装置〝フィンスタビライザー″や燃料節約のため“SEB(スターン・エンド・バルブ)”などが装備されました。

「観光船とまぼろしの船」

小笠原には観光船(クルーズ客船)も訪れ、主に飛鳥Ⅱ、ぱしふぃっくびいなす、にっぽん丸が来航します。それぞれ年に数回ずつ小笠原に来航し、昨年度は計13回、約5800名の方が来島しました。
各船とても豪華で、海に浮かぶホテルのようです。

小笠原に来航した観光船(クルーズ客船)

小笠原に来航した観光船(クルーズ客船)

ところで、定期船として東京-小笠原間に就航予定であった“まぼろしの船”をご存じでしょうか?

「スーパーライナーオガサワラ」は東京小笠原間を17時間で運航、
2005年の11月に就航予定で船は完成していました。

しかし、年間20億円の赤字が見込まれたため、直前の2005年6月に就航中止となりました。航海時間が短いことは確かに良いことですが、長期的に安定し運航してくれた方がありがたいことです。

スーパーライナーオガサワラパンフレット(展示物)

スーパーライナーオガサワラパンフレット(展示物)

「船と小笠原の歴史」

小笠原の歴史は船とともにあり、深く関係しています。

1670年11月に阿波国(現在の徳島県)の紀州から江戸へみかんを運ぶ船が、小笠原に漂着したのが、小笠原に最初に着いた船です。その後、捕鯨をきっかけに探検・調査・開拓をするための船が日本のみならず世界中から小笠原にやってきました。

また、ペリー監督が浦賀に行く前に父島に寄港しています。ジョン万次郎も咸臨丸(かんりんまる)に乗って来ています。

1830年からは人が定住するようになり、「ハスノハギリ」でハワイ型のカヌーを造り、漁業や島間の往来用に利用されました。現在でもこの形を合成樹脂で形成し、小型船外機をつけて遊漁船や観光船として使用しています。

このような背景があり、船と小笠原の人々の関わりは今後も続いていきます。

アメリカの捕鯨船模型(展示物)

アメリカの捕鯨船模型(展示物)

ハワイ型のカヌー模型(展示物)

ハワイ型のカヌー模型(展示物)

VCオカヤドカリマーク

小笠原の情報発信基地

小笠原ビジターセンター・大神山公園

小笠原の歴史と自然情報が満載。
小笠原の情報収集は、小笠原ビジターセンターへお越しください!

https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/