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小笠原ビジターセンター特別展「西之島0 zero展」

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01_西之島0zero展

小笠原ビジターセンターにて、特別展「西之島0 zero展」を開催しています!

東京都心から南に約1000kmの太平洋上に、父島列島があります。

そして父島列島から西に130kmには、今なお火山活動を続けている西之島があります。

この西之島が今、生態系の変化をゼロ(=起源)から見ていくことができる絶好の島となっています。

かつて西之島では、海鳥を捕獲していた記録や野生化したネコがいたという情報もあり、人間の影響を少なからず受けていたようです。

しかし現在は、再噴火により旧島がなくなったことで、生物がほとんどいなくなりゼロの状態に戻ったのです。

新たな西之島の歴史の始まりです。

地球史からみる小笠原

今から約46億年前地球が誕生しました。

父島・聟島列島の海底火山活動が開始したのは約4800万年~4500万年前

そして小笠原諸島が陸化したのは約4000万年前の出来事です。

一度も大陸と陸続きになったことがない島(海洋島)である小笠原諸島には、どのようにして生きものや植物がやって来たのでしょうか?

海洋島が生まれたとき、そこには土もなく、陸に生息する生物もいません。

やがて、海を越えることのできる一部の生物だけがやってきます。

空を飛べる鳥や昆虫の仲間、あるいは自力ではないけれど鳥の羽毛に付いてやって来たり、海流で運ばれたり、風に乗ってやってくるものもいたでしょう。

たとえ、たどり着いたとしても、そこには天敵やライバルは少ないものの、食物がなかったり子孫を残せなかったりして絶滅していくこともあったでしょう。

それらを乗り越えて生き残ったわずかな生物が、長い時間をかけてさらに環境に適したものへ進化していくのです。

小笠原の場合、植物や昆虫の多くは、東南アジア・オセアニア・日本本土の3方向からやって来たと考えられています。

鳥類は熱帯・亜熱帯のものがほとんどです。

陸産貝類は様々な地域からやってきて進化し、たくさんの固有種が生まれました。

展示の年表(写真参照)は、1㎜が1万年です。
気の遠くなるような年月を経て、小笠原の生態系が作られていったのです。

この年表は左から古い年代順に記載されているのですが、西之島は右端の部分、約78~1万年前にようやく誕生しました。

新しく生まれた島にこれから何が起こるのでしょうか。
何がやってくるのでしょうか。

楽しみになってきませんか?

02_西之島0zero展

地球史からみる小笠原 年表(展示風景)

変わり続ける西之島

1973年、西之島で有史以降初めて噴火が確認されました。

この噴火によって西之島新島が誕生し、その後湾がつながり真ん中に湖ができました。

そして40年後の2013年に再噴火し、現在まで噴火を繰り返しています。

その度に地形を変えながら成長しています。

2019年時点で、面積は2.89㎢、標高は160mになっています。

03_西之島0zero展

地形を変えていく西之島

おじゃまします!西之島

2019年、環境省や東京大学等が西之島の生物相や火山活動の現状を把握し、モニタリングをするために調査を行いました。

西之島には波の浸食によってできた砂浜がいくつも点在し、巻き上がった砂によって新しい大地が形成されています。

調査は、こうしてできた北西台地、西之浜、南西浜を中心に行われました。

04_西之島0zero展

調査地点

そこで見つかった生きものたち

調査ではどんな生きものが見つかったのでしょうか?

展示では、昆虫・植物・海洋生物・海鳥について説明していますが、ここではそのうちの一つである植物をご紹介します。

噴火して溶岩に覆われた大地にまずやってきたのは、鳥によって運ばれたオヒシバイヌビエだと考えられています。

その後、海流によって運ばれたスベリヒユグンバイヒルガオが定着していきました。

2004年の調査では、同じく海流によって運ばれたハマゴウツルナも確認されました。

しかし、2013年の再噴火により新しい大地となり、植物は一時絶滅したと思われました。

その後も激しい噴火と火山活動が繰り返されました。

そして2019年の調査で確認されたのが、オヒシバ・スベリヒユ・イヌビエの3種です。

残念ながらグンバイヒルガオ・ハマゴウ・ツルナは絶滅したと思われます。

今後も火山活動が継続する中で、侵入、定着、絶滅が繰り返されていくのでしょう。

05_西之島0zero展

絶滅した植物と定着した植物

特別展「西之島0 zero展」は2月上旬まで開催予定

今回ご紹介したのは展示のほんの一部です。

小笠原ビジターセンターでは、さらに詳しい情報と、西之島の映像も見ることができます。ぜひ、西之島のゼロを感じにお越しください。

私たちの周りの自然の歴史を再発見できるかもしれません。

小笠原ビジターセンター

開館日
おがさわら丸・観光船入港中
午前8時30分~午後5時00分まで
*夜間開館日あり
*開館日については下記サイトからご確認ください。
https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/
*新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、臨時に休館することがあります。

問合せ
小笠原ビジターセンター電話番号:04998-2-3001

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https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/