文化・歴史

小笠原ビジターセンター特別展「小笠原の歴史写真展」

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01_特別展「小笠原の歴史写真展」ポスター

小笠原ビジターセンターにて、特別展「小笠原の歴史写真展」を開催しています!

1830年(江戸時代)、無人島だった小笠原に欧米系とハワイ系の人々が移住したことから、小笠原の定住の歴史が始まりました。異なる人種の人々から始まった稀有な歴史です。

人間社会の歴史はたった200年足らずですが、いろいろなことがありました。

特別展「小笠原の歴史写真展」では、小笠原の歴史を8つのパートに分けて、普段なかなか見ることができない貴重な秘蔵写真を展示しています。

写真展は8つのパートで構成されています!

  • ① 日本人が初めてカメラに収めた風景 (明治8年)
  • ② 当時の風景と暮らし (大正6年~昭和15年)
  • ③ 戦時中の小笠原 (昭和19年~昭和20年)
  • ④ 米軍統治時代の父島 (昭和21年~昭和43年)
  • ⑤ 返還式の様子 (昭和43年)
  • ⑥ 返還後の父島と母島の風景 (昭和44年~平成14年)
  • ⑦ 世界自然遺産登録前の転換期 (平成15年~)
  • ⑧ 世界自然遺産に登録後から最近まで (平成23年~)

明治時代から現在までを、貴重な写真の数々でたどります。

本記事では、その一部をご紹介します。

日本人が初めてカメラに収めた風景

このコーナーでは、1875年(明治8年)明治政府の調査船「明治丸」の乗員の写真師が撮影した写真などが展示されています。

同調査が実施された翌年に、明治政府は諸外国に小笠原が日本領土であることを宣言しました。

その後、日本人の移住も増加し、太平洋戦争の戦況悪化までの60年以上の間、欧米系住民と日本人が共に豊かに暮らしていた時代へと続きます。

日本人が初めてカメラに収めた風景

日本人が初めてカメラに収めた風景(展示風景)

戦前の風景と暮らし

1917年(大正6年)から1940年(昭和15年)の風景です。

戦前の写真は絵はがきや集合写真などで多く残されています。

展示品のひとつをご紹介します。

戦前の風景と暮らし

1939年(昭和14年)の大村では、木々が生い茂る通りを着物姿の少女が歩いています。

今と同じ明るい日差しが白黒写真でもわかります。

戦時中の小笠原

「戦時中の小笠原」で展示されている写真は、米軍が撮影した貴重な写真です。

1944年(昭和19年)、小笠原にも空襲がありました。

悲惨な出来事がこの美しい島にもあった事を改めて思い知らされます。

戦時中の小笠原

戦時中の小笠原(展示風景)

米軍統治時代の小笠原

終戦から1968年(昭和43年)まで、小笠原は23年間米軍により統治されていました。

その間は帰島を許された欧米系住民と米軍人だけが住んでいました。

このコーナーでは、欧米系島民が撮影した写真などを展示しています。

ベールに包まれた時代の一端が垣間見れます。

米軍統治時代の小笠原

米軍統治時代の小笠原(展示風景)

返還式の様子

1968年(昭和43年)6月26日、父島で小笠原諸島返還式が開催され、本土復帰が実現しました。

23年に及ぶ米軍統治時代、日系島民は島に帰ることができず、慣れない本土暮らしに大変苦労していたそうです。

そのような歴史背景を知ったうえで、悲願だった返還の実現に沸く写真の数々を目の当たりにすると、胸が熱くなります。

返還式の様子

返還式の様子(展示風景)

返還後~現代へ・自然との共生へ向けて

返還後、旧島民の父島・母島への帰島が本格化し、定期船が就航した1972年(昭和47年)には、小笠原諸島は国立公園に指定されることになりました。

定期船が就航したことで、国立公園となった亜熱帯の美しい景観や米軍統治時代の面影に魅了されて、観光で訪れる人や移住する人が増えていきました。

人口が増加するのと比例して、人間が住み始めるよりはるか昔から島に住み、独自の進化を遂げてきた貴重な動植物との「共生」を目指す活動も盛んになっていきました。

そして、貴重な美しい自然を後世に引き継ぐため、独自の外来種対策など自然保護活動を進めた結果、小笠原諸島は「生態系」の価値が認められ、2011年(平成23年) 世界自然遺産の登録地域として認定されました。

世界自然遺産登録10周年・自然との共生へ向けて

世界自然遺産に登録後から最近まで(展示風景)

祝!世界自然遺産登録10周年

2021年(令和3年)、小笠原諸島は世界自然遺産登録10周年となるアニバーサリーイヤーを無事迎えることができました。

世界自然遺産登録への道のりや、登録後の活動については、返還後のコーナーに展示されている様々な写真から知ることができます。

特別展の他にも、小笠原ビジターセンターには、小笠原の自然や歴史、文化を紹介したブースが常設されています。分かりやすく展示・解説していますので、是非チェックしてみてください。

この写真展を通して、この島に関わったすべての人が、いつの時代もひたむきに生きてきた姿をご覧いただき、これからの小笠原にも興味をもっていただけたら幸いです。

特別展「小笠原の歴史写真展」は、来年の春までの開催予定

長期間の休みで、ご迷惑をおかけしましたが、6月5日から再開しています。

2022年春(予定)迄に小笠原へのご来島予定がある方は、是非、小笠原ビジターセンターの特別展「小笠原の歴史写真展」もご覧になってみてください。

小笠原ビジターセンター

特別展「小笠原の歴史写真展」開催期間
2021年6月から2022年春まで(予定)

開館日
おがさわら丸・観光船入港中
午前8時30分~午後5時00分まで
*夜間開館日あり
*開館日については下記サイトからご確認ください。


問合せ

小笠原ビジターセンター電話番号:04998-2-3001
https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/

VCオカヤドカリマーク

小笠原の情報発信基地

小笠原ビジターセンター・大神山公園

小笠原の歴史と自然情報が満載。
小笠原の情報収集は、小笠原ビジターセンターへお越しください!

https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/