食・土産

父島の『ファーマーズマーケット』は掘り出し物がいっぱい

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小笠原

小笠原は元々農業が盛んな島だった。

戦前はパイナップルなど南国の果物やサトウキビを育て、小笠原の農業者は内地に比べて数倍の収入を得ていたと言われている。

戦争が終わってからはカボチャなどの 野菜の生産量が増え、内地に卸すのが主流になったらしい。

現在では野菜や果物の種類も増えたが、人気のパッションフルーツやマンゴーといった果物以外は島内で消費する物がほとんどだ。

パッションフルーツ

パッションフルーツの花

季節によって食べられる野菜や果物は島民にとって大きな楽しみの一つである。

夏には四角豆、オクラやきゅうりなどの野菜に加えてパッションフルーツ、そしてマンゴーが出回る。

夏の終わりから秋にかけてはレモン。

そのままでも食べられるくらい糖度が高く、焼酎やコーラなどの飲み物に絞ったり、また様々な加工品にも使われている。

そして冬は有名な小笠原のトマトの季節。

完熟したフルーツのように甘い島トマトは舌鼓を打つ美味しさだ。

他にもジャガイモやセロリなど多くの美味しい島野菜がある。

ミディトマト

収穫前のミディトマト

島の農産物を購入できる場所はJA直売店と島内のスーパー。

ただし島物は量に限りがあり、常に店頭に並んでいるわけではないので欲しいものが手に入らないこともしばしばある。

そのため、内地や海外などで見かける朝市のようなものがあったらいいなと思う人は以前から少なくなかった。

そんな思いから始まったのがUSKコーヒーで開かれている「アイランド・ファーマーズ・マーケット」だ。

アイランド・ファーマーズ・マーケット

USKコーヒーはコーヒー畑の隣にエアストリームを構え、島で育てているボニンアイランド・コーヒーのほか、島の食材を使ったスイーツなども提供している、父島の小港にある人気カフェだ。

USKコーヒー

マーケットの日の様子

ファーマーズマーケット

天気の良い日はカフェ隣接の畑にも出店する

月一のマーケットには島の農家や自分の畑を持っている人達がその時期に採れる野菜や果物を出品している。

島のフルーツ

島の春野菜

小笠原のハチミツ

島の名特産品、ハチミツもお得な価格で出ることも

島の特産品以外にも、島民が内地の知り合いから取り寄せた農産物や雑貨商品なども店頭に並ぶこともある。

他にも島民自身が作成する編み物などの商品も売り出され、農産物以外に様々なものが見つかる。

南米雑貨

旅行で仕入れた南米雑貨と手編みのUSKファーマーズ・マーケットバッグ

雑貨

島民手製のレモングラスの葉で編んだ香るアクセサリーとオリジナル入浴剤

バッグ

USKファーマーズ・マーケットバッグに買い物を入れる

ファーマーズ・マーケットが始まったのはちょうど一年前で、最近では訪れる人も増えてきた。

また、農業を営んでいる人達自身が出店するということで、生産者同士が集まって話し合ったりできる貴重な機会ともなっている。

そして買う側も生産者から直接商品を買うことができるのはとても貴重だ。

「自分も何か出店したい」という島民も多くなり、マーケットが開かれる日には普段はゆったりとした雰囲気のUSKコーヒーも子供連れの家族や新鮮な野菜を買いに来る人達で賑わう。

島のコーヒーを飲みながら、季節の地元農産物や思わぬ掘り出し物を探すのが最近の父島での新しい週末の時間の過ごし方になってきている。

USKコーヒーのファーマーズ・マーケットは毎月の第3日曜日、入出港日と重なる場合は前日の土曜日開催だ。

 

USKコーヒー

フリーペーパーORB編集長

Ludy

小笠原諸島のフリーぺーパー「ORB」を発行しています。
FB: @boninislandorb
Instagram: @freepaperorb

https://freepaperorb.tumblr.com/