陸のアクティビティ

歩いてしか行けない父島の秘境「西海岸」へのトレッキング

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

父島の秘境・巽湾への唯一の指定ルート西海岸

西海岸へのトレッキングコースは、小港海岸駐車場(北袋沢)をスタートしてハートロックへのコースと同じく、常世の滝、わらび谷、切通し、と登って行きます。

ハートロックへのコースはこの後、分岐路を西に衝立山へと登って行きますが、西海岸へのコースはそのまま南東へのアップダウンの緩やかな森の中を歩いて行きます。

このコースの様々な場所で小笠原の固有植物であるタコノキやオガサワラビロウなどが生い茂っています。

左の写真がタコノキ 右の写真がオガサワラビロウ

タコノキ林
長い柄のオガサワラビロウ

またこのコース脇にムニンフトモモが自生しています。

このムニンフトモモは小笠原で進化を遂げた固有植物で、近縁種はフィージーにあり、その元祖はニューカレドニアにあるポリネシア圏内の植物です。

この様に小笠原に自生する植物のうち数種類はポリネシアやハワイから渡ってきました。この点から小笠原の自然はポリネシアやハワイと深い繋がりのある場所と言えます。

西海岸への道からのムニンフトモモの花と巽湾

ムニンフトモモの花

ムニンフトモモ

太古の昔、小笠原が誕生した場所は赤道よりも南に位置し、その頃ハワイに位置的に近かった影響からハワイの植物が小笠原に渡ってきたと言われています。
これらが小笠原の環境に合った形に進化を研げ、その一つがムニンフトモモという固有種を生み出しました。
このムニンフトモモは数が少なく、高木であるため花を見ることが難しいのですが、西海岸へのコースの途中では谷斜面から伸び上がっている樹があるのでほとんど目の高さでムニンフトモモの花を見ることができます。(この花の時季は8月の終わりから9月にかけてです)

森を抜けると景色が開けて、遠くに水平線と父島の南東の端・巽崎のダイナミックな切り立った地形・・そして歩くコースの右手には深く急な谷が続いています。

あの世の崖

あの世の崖を覗くガイド

その谷の上流には落差の大きな滝があり、水量のある時ならば その音をも楽しむことができます。

この急な斜面の草地を横切って、次の林を抜けると西海岸が見下ろせる展望台に出ます。ここからは絶景なる景色を堪能できます。

西海岸全景 展望台より

西海岸全景

ここから西海岸までの道跡の分かりづらい斜面のコースを下りて行くと西海岸に到着です。

この西海岸のビーチの大きな特徴は砂浜の色が緑色をしています。

西海岸 緑砂の上のマダラ貝

西海岸 緑砂の上のマダラ貝

他のビーチは船でも行けますが西海岸の岸近くは岩が多くて船を寄せられません。

西海岸は歩いてしか行けない父島の秘境です。

トレッキング コースポイント

  • 歩く時間は、片道3時間から3時間半です。
  • ハートロックへのコースと分岐したところからは、人にあまり利用されていない道です。よって歩きやすくはありません。
  • 体力的には年齢が10才くらいでも運動に長けてる子どもであれば十分に歩くことは可能です。
  • このコースは急な斜面を横切ったり、石ころの多い斜面を歩いたりしますので靴底のしっかりした靴が必要です。(テニスシューズやバスケットシューズは不適です)
  • このコースはガイドの同行が必要です。

ツアーガイド

フローラ ジャングルトレッキング ガイド

父島の山と自然を案内して25年以上という経験を元に、小笠原の素晴らしい自然を紹介するツアーガイドです。

http://www.florajungle.com/

書いた人の他の記事