離島といえば猫島! というイメージがある人もいるくらい、猫好きの人は多いかと思いますが、実は島と猫ってとっても微妙な関係。
島民にとって猫が必ずしもいい影響を与えているわけではないという島も中にはあり、実は小笠原もそのひとつだったそうです。
小笠原ネコプロジェクト!

きっかけは2005年の春。小笠原、母島南崎の海鳥繁殖地がノネコによって消滅寸前であることがわかったそう。
同じ年の冬、小笠原諸島にのみ数十羽しか生息しないといわれているアカガシラカラスバトの重要な繁殖地である父島東平でも、ノネコが目撃され捕食の危険が高まっていたとか。
そこで、有志と多くの行政機関の協力を得て、ノネコの捕獲がはじまったんです。

島のノネコ

天然記念物のアカガシラカラスバト
小笠原では2010年に父島での通年捕獲がはじまり、東京の受け入れ先のどうぶつ病院が決まるまでのあいだ過ごすための一時飼養施設「ねこ待合所」でノネコを預かります。
捕まえたノネコをできるだけ健康な状態で動物病院に届けるのだそうです。

ねこ待合所(通称:ねこまち)
こちらが「ねこ待合所」のねこまち。
小笠原では東京都獣医師会の受入れ協力によって、捕獲したノネコを殺処分せずに本来のペットとして飼い主さんに托すことができています。
それ以外にも、新たなノネコを集落から生みだすことがないように、山域でのノネコ対策と並行して、集落内の飼いネコ、ノラネコ(エサやりネコ)の調査、管理を行っているのだとか。
小笠原では、ペットと野生動物が共に暮らせる島
を目指して頑張っているんだそうです。
野鳥もネコも救いたい
猫好きのわたしは、この小笠原の活動に非常に感銘を受けました。
小笠原にしか生息しない鳥を守るためにノネコを捕獲しなければいけない。しかし鳥を守るために猫を殺すのではなく、島のねこまちで数日過ごし、東京の動物病院に送り、獣医さんが面倒を見て、新たな飼い主を見つける。
小笠原では野鳥もネコも救いたいという想いで、いろいろな人の善意で自然保護活動をおこなっている、素晴らしい取り組みだな、と個人的に思いました。

東京の動物病院にお嫁に行った猫ちゃんのイラストを1枚1枚描いてもらって、ねこまちの壁に飾っていました。
小笠原のノネコちゃんが今も東京のどこかで、新しい飼い主さんと幸せに暮らしていることでしょう。
「小笠原ネコプロジェクト」は素晴らしい試みで、継続してもらいたいな、と思いました。
たくさんの猫好きさんにこの活動を知って欲しいですし、たくさんの猫好きさんに新しい里親さんになって欲しいです。
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