陸のアクティビティ

癒しの風景を求めて。母島にはこんなに幻想的な森がある!

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小笠原と言えば、シュノーケリングやダイビング、ドルフィンスイムなどのアクティビティーをはじめとした“海”のイメージが強いと思いますが、僕は場所によって様々な風景を作り出す“山”もおすすめしたいと思っています。

今回紹介するのは、母島にある遊歩道。一見、ただの山道に思える遊歩道ですが、そこでは様々な生き物や風景を見ることができます。

今回紹介するのは西台線歩道

まず、小笠原諸島のほとんどは『森林生態系保護地域』に指定されています(全体の60%の面積を占める国有林のほとんど)。
これは、狭小な海洋島である小笠原諸島の貴重な野生動植物が生息・生育する森林を保全・管理するための制度で、保護地域に指定されているエリアでは一般の人が自由に立ち入ることはできません。

しかし、今回紹介する西台線歩道は、だれでも通行できるルートで、なおかつ気軽にハイキング気分を味わえるので、初めて小笠原を訪れた方にもおすすめです。

西台線歩道の地図(地図は出発地点の母島北港)

西台線歩道は、母島の北港から大沢海岸へとつながる、およそ1.2㎞のルートです。
高低差はおよそ100mなのですごく厳しいわけではありませんが、そこそこ体力を使う絶妙な感じのルートです。

ルートを歩いてすぐに素晴らしい眺望が現れる

それでは、ルートを紹介していきましょう!

西台線歩道ルート01

ルートの入り口は北進線最北端の北港。
案内看板によると30分で終点の大沢海岸へ行けるようです。

西台線歩道ルート02

入り口には種子除去装置が設置されているので、中に入っている粘着テープで種子を除去し、酢酸スプレーでプラナリア対策をしましょう。

西台線歩道ルート03

ルートに入ると最初は階段が続きます。
夏場はかなり汗をかくので、水分は多めに持っていくようにします。

西台線歩道ルート04

少し歩いていくと、いきなり絶景ポイントが。
北港を高台から見下ろすことができます。
水色の海と緑のコントラストが美しすぎますね!

写真の撮影時の天気は曇りでしたが、晴れていればもっと美しい風景が広がるはず。

ルートを歩くと様々な植物が見られる

ルートを歩いていると様々な植物を見ることができます。

西台線歩道ルート05

ルート沿いには立派なガジュマルの木があります。
外来種ではありますが、成長すると独特の雰囲気を醸し出し、ジャングル感を味わうことができます。
ちなみに、大きなガジュマルは昔、人が住んでいたところに多いのだとか。
入り口付近の案内看板には、北港に人が住んでいた当時の様子が書いてありました。

シマギョクシンカ

シマギョクシンカ

もちろん、外来種だけでなく、小笠原の固有種も見ることができます。
こちらはシマギョクシンカ。
母島の山では非常にたくさん見ることができる種で、僕が見たときには緑色の実をつけていました。

ムニンヒメツバキ

ヒメツバキ

こちらはヒメツバキの花です。
こちらも小笠原の固有種で、花が花首から丸ごと落ちるため、地面に落ちた後もきれいです(写真は比較的しぼんだ状態のもの)。

西台線歩道ルート08

もちろん、そのほかにも紹介しきれないくらい様々な植物があります。
ルート沿いには小笠原の植物を紹介する看板がいくつか立てられているので、あまり詳しくない人でも植物を知ることができます。

ここが僕のおすすめポイント!

西台線歩道ルート09

入り口から1,000mほど進むと、ここからは下りの階段です。
この先におすすめの風景が待っています!

西台線歩道ルート102

じゃ~ん!

これが僕のおすすめの風景です!

ポトスが巻き付いたテリハボク(タマナ)がとても幻想的な風景を醸し出していますね。
木漏れ日がとてもおしゃれで、思わず深呼吸してしまいたくなります。

どこにもそんな描写はありませんでしたが、“ジブリ”っぽさを感じます(自然味あふれる風景を見かけると思わずジブリと言ってしまう僕の悪い癖です)。

個人的には、この風景を見るためだけにこのルートに行くくらいの価値があると思います。

さて、そろそろ帰ろう

お目当ての風景は見ることができましたが、せっかくなので終点の大沢海岸まで行ってみることにします。と、言っても大沢海岸までは、ほんのちょっと。

大沢海岸

大沢海岸

着きました、大沢海岸。海岸には玉石が広がっています。
ここはあまり人が来ない場所なので、プライベートビーチのようにのんびり過ごすことができます。
帰りに備えて、ゆっくりと体を休めるのもいいでしょう。

そんなこんなで、いよいよ帰り道。待ち構えるのは先ほど降りてきた階段・・・

西台線歩道ルート12

体を動かした後には少し厳しめな道ですが、そんなときには立ち止まって周りを見ながら登りましょう。
すぐ横には癒しの風景が広がっています。

いかがでしたか?

小笠原と言えば、海のアクティビティーのイメージがありますが、山も見どころがいっぱいあります。

『たった一つの風景を見るためだけにその場所に行く』

たまには、そんな贅沢で達成感のある一日を過ごしてみるのもいいかもしれません。

ちなみに、西台線歩道は母島の中でも一番北にあり、沖港の集落から北港を通ってこのルートの終点まで行き、また沖港に歩いて帰るという猛者を見たことがありますが、ここまですれば、見える景色への感動や達成感は尋常じゃないんじゃないかと思ったりしています。

いつか、僕もやってみようかなと思ったり・・・

瀬戸智大

旅人兼ブロガー

たいぞー

広島県出身。大学入学と共に上京し、旅に目覚める。
初めて小笠原へ訪れたのは22歳のとき。以来、定期的に通っている。
初めて小笠原の海を見たときの感動が忘れられない。

https://hobbytz.info

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