自然陸のアクティビティ

山頂だけじゃない!乳房山ミドコロ案内 ~隠れ東ルート編~

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「山頂だけじゃない!乳房山ミドコロ案内 ~山頂(西側)ルート編~」に続き、今回は乳房山のもう一つのルートのミドコロをご紹介します!

乳房山遊歩道2021年10月現在、山頂近くががけ崩れを起こし落石等の危険があるため一部ルートが通行止めとなっており、東ルートからは山頂まで行くことができません。

そのため、登る人が少なくなっているのですが・・・・実は、私が本当におススメしたいのは、この隠れコースとも言える「東ルート」です。だって景色がすごいんです!!

地図1

乳房山東ルート地図

ミドコロ①登り方は2通り!どちらのルートで登ってみる?

ルート①がっつり!集落からの登山道入り口

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東ルートの歩き方には2通りあり、1つは集落からすぐの登山道から歩き始める方法(乳房山東ルート地図の青点線)。

この登山道入り口は、山頂へ行ける西ルートの登り口よりも手前の右手にあります。

階段が多くなかなか大変ですが、途中に母島の集落が一望できる「剣先山展望台」を通ることが出来ます。

剣先山

剣先山展望台」でお泊りの宿や歩いてきたルートを探してみてはいかがでしょう?

さらにその先へ進むと機関砲や塹壕(ざんごう)跡といった戦跡があります。

戦争の影を現代へ伝えてくれる場所ですね。

塹壕跡

ルート②さっくり!玉川ダムからの登山道入り口

もう1つのルートは玉川ダムから登る方法(乳房山東ルート地図図の赤点線)。

ルート1で紹介した方法よりも短いルートですが、この登り口までは集落から少し離れているため、レンタカーやレンタルバイク、有償運送(※1)などの移動手段がある方向けです。

このルートの名前にある「玉川ダム」とは、母島の農業用水用のダムです。ここでは、春や秋にはカモ類やシギ・チドリ類などの渡り鳥が旅の途中で羽を休めている姿を見ることができるかもしれません。

玉川ダムのルートでは、上流部へ続く道を5分ほど歩いていくと分岐が見えてくるので、「乳房山」の方向へ進んでいきましょう。

※1 タクシー等の公共交通機関では十分なサービスが確保できない場合に、市町村や非営利団体が実施している自家用自動車(白ナンバー)を使った個別輸送サービス

ちょっと寄り道スポット:舟木山の滝

舟木山の滝

この分岐では5分ほどで「舟木山の滝」へ行けるルートもありますので、お時間のある人はこちらにも足を延ばしてみてください(乳房山東ルート地図の青実線)。

大きな滝を期待されてしまうと困っちゃいますが…メグロなどの鳥たちがいつも賑やかな観察スポットです。

さて、先程の分岐から5分ほど登ると、集落からの登山道(ルート①)と合流します。下から登るとここまで40分程度はかかりますが、玉川ダムから登ると約10分とあっという間ですね!

ミドコロ②雲霧帯ゾーンは、植物観察もたのしんで

写真2

2つの入り口からの合流地点。ここから右手の山頂方向へ進みます

合流地点からしばらく登り、標高300mを超えてくると雲霧帯に入ってきます。

周りをじっくり見てみると固有の生物や植物がいろいろと観察できます。

前回の記事でご紹介した「オガサワラオカモノアラガイ」や、「テンスジオカモノアラガイ」は、東ルートでも遭遇できるので探してみてください。

今回は、乳房山で観ることができる植物をいくつかご紹介します。

オガサワラシコウラン

オガサワラシコウランの葉っぱ

オガサワラシコウランの葉っぱ

先ずは「オガサワラシコウラン」という固有種の蘭の仲間です。

観察してまず最初に気になるのは、木にくっついて生えているすべすべした厚手の葉っぱ。この葉っぱの付け根は球状になっています。

オガサワラシコウランの花

オガサワラシコウランの花

「オガサワラシコウラン」7月ごろに紫と黄色の花を咲かせます。

シコウランは漢字で書くと「指甲蘭」。蕾の姿はまるで人の手のように見えます。

なるほど!と納得してしまう姿です。

オガサワラシコウランの蕾

オガサワラシコウランの蕾

ホソバクリハラン

次はオガサワラシコウランと同じようなところについている細いシダを探してみましょう。

シダも色々な種類がありますが、今回は、胞子の詰まった胞子嚢群(ソーラス)のつき方が特徴的な、私イチオシのかわいい固有シダ「ホソバクリハラン」をご紹介します。

ホソバクリハラン

ホソバクリハラン

薄い葉っぱに蛇柄のような葉脈が透けて見えます。
そして丸いソーラスがきれいに並んでいます。なんだかかわいいですよね!

「ホソバクリハラン」は小笠原野生生物研究会が発行している植物ガイド本「小笠原の植物フィールドガイド」の表紙にもなっています。まさに小笠原の植物の顔!?といっても過言ではないかもしれません。

ちなみに、名前に「ラン」がついていますが、蘭の仲間じゃなくてシダですからね。
今回はランの仲間のオガサワラシコウランもご紹介したので余計に混乱させてしまったかもしれません。

ご紹介したものに限らず、植物の名前って、わかりにくいものが多いんですよね…。

シダと名前がつくコケがあったり、コケと名前がつくシダがあったり…
私もよく惑わされます…。

ミドコロ③いよいよ最大の絶景スポットへ…!

写真7

植物観察をしながら登っていくと1つ目の休憩舎が見えてきます。

ここからは母島の南部が一望できだけでなく、6月ごろにはヒメツバキの花がきれいに咲き、美しい景色を堪能することができます。

そしてこの休憩舎からもう少し登ったところが、尾根部の「馬の背」と呼ばれる場所です。ここがこの東ルートの一番のおススメスポット

この場所は10mほどの短い石階段の先にありますが、そこから後ろを振り返ると…

まさにゼッッッッケイ!!!

馬の背

絶景スポット「馬の背」

1枚の写真からでは、伝えきれないほどのダイナミックさです!

石門~東崎~小富士~集落、母島周辺の無人島、天気がいいと父島までぐるっと270度ぐらい見渡すことができます。この景色、ほかの場所では見られません!

もう少し登ると2つ目の休憩舎があり、そこが東ルートコースの終点です。
ゆっくり歩いてもここまで片道2時間程度なので、ここで引き返せば半日で戻れます。

乳房山「馬の背」をぐるっと動画でも見てみる

是非、東ルートで乳房山へ登り「馬の背」の絶景を堪能してみてくださいね!

乳房山ミドコロ案内 ~隠れ東ルート編~ いかがでしたか?

乳房山の魅力は山頂だけじゃない!
今回は絶景が見られる乳房山の隠れコース「東ルート」をご紹介しました。

山頂も行ったけど、こっちも行って見たい!という山歩き好きさんにも、
山頂まで登るのは大変そうだけど、母島らしい森を見てみたい!という植物好きさんにも、
乳房山登りたいけど時間がない!という日帰り観光さんにもおススメです。

ぜひ楽しく登ってみてくださいね。

ネイチャーガイド

irie isle (アイリーアイル) 宮川 五葉

福岡に生まれ、沖縄本島→石垣島→奥多摩と端っこを攻め続け、やっぱり南の島がいい!と母島に移り住み10年目、ここを終の棲家と定める。現在は東京都レンジャーとガイドの2足の草鞋を履いて活動中。仕事で山に行くので遊びは海派。植物は味で覚える派。飲み物はビール派。

http://www.Facebook.com/irieisle.Hahajima