12月10日(日)に開催予定のBONIN ISLAND JAZZ 2023。
その魅力をお伝えするべく、今回の後編では、引き続きボニンアイランドジャズ実行委員会 小田川さんへのインタビューからわかった、フェスに関わる方々の想いや、よりフェスを楽しむコツをお伝えしたいと思います。
前編でも記載した通り、「小笠原でジャズをやりたい!」という想いから始まったこのフェスティバル。
すみだストリートジャズフェスティバルの関係者の方々が『地域のヒト・モノ・コトや場所そのものの魅力を人間の表現活動を通して広く発信する』ことをコンセプトとした『アット・ジ・アース・プロジェクト』という非営利団体をつくり、共感するアーティストとともに小笠原海運や島の有志の協力を得て開催したのが始まりだそうです。
ちなみに、小笠原だけでなく、八丈島など他の地域でもフェスを企画されているとのこと。

写真提供 アット・ジ・アース プロジェクト
難しい条件の中でも継続して開催している秘訣は、さまざまな人の強い思い
ボニンアイランドジャズでは、毎回島外から活躍中のアーティストを呼び、誰もが楽しい音楽に触れられるよう「無料」で参加できることを主としています。
そんな、フェスの運営としては異例ともいえるハードルの高いことを続けて、次回でなんと開催6回目!この難しい条件で毎年継続していくのは、必ずしも簡単なことではありません。2016年から続いているこのフェスの原動力は、一体どんな部分にあるのでしょうか。
代表の小田川さんは「大好きな音楽と、大好きな人たちが大好きな小笠原に集まる。そんな大好きの輪が広がって、一人でも多くの人にこの自然豊かな環境で素敵な音楽と人に出会う魅力を体験してもらいたい」とおっしゃっています。加えて、小笠原には「人と自然との距離が近く、素に戻る飾らない良さがある」とも語ってくださいました。

D Jブース前。大人も子供も楽しく踊っています!
私が参加したフェスは10ヶ月ほど前ですが、実際に、大自然の中の「素」の状態でダイレクトに受け取る音楽という表現、そこで出会った人との関わりは、後になってもずっと心に残っています。
それをお土産にできるのがこのフェスの最大の魅力なのだな、と感じます。
ジャズフェスに来てくれた豪華アーティスト
そんなジャズフェスにこれまで来てくれたアーティストも、錚々たるメンバー。
前回来てくれた『BImBomBam楽団』さん、NHK紅白歌合戦に出場された『元晴』さんをはじめ、楽曲『ライオンの子』でレゲエリスナーの圧倒的支持を得た『Spinna B-LL』さん、日本におけるレゲエシーンを支え多方面で活躍するバンド『Home Grown』さん、作編曲家として映画やドラマに楽曲提供を行いながらピアニストとして活躍中の『ハタヤテツヤ』さん、ヨーロッパをはじめ世界中でツアーを行うギタリスト『西藤ヒロノブ』さん、自由で艶やかな生き方と音を奏でるサックスプレイヤー『巽朗(Akira Tatsumi)』さん、などなど…あげたらキリがありませんが、第一線で活躍されているアーティストたちが、小笠原のジャズフェスに来てくださいました。
また、ジャズやファンクなどの踊れる音楽を奏でるバンド『Ricky with FSP』さんは、毎年フェスとは別の機会にも来島してダンスワークショップを開催してくれたりなど、島っ子たちにも大人気のバンドです。
技術者の方も、数々の有名アーティストのライブ音響を担当する方など、まさにプロ中のプロがフェスを支えてくれているそうです。

前回のご関係者の方々。役割関係なくみんな仲間ですね!Photo by H.Aoki
忙しいアーティストや技術者の方々が遠い小笠原に来てくれるワケ
みなさん、忙しい中でもはるばる小笠原まできてくれる理由。それは「小笠原という場所、そしてそこの人々との触れ合いが楽しみ」だからだそうです。
これは島民の方から伺ったのですが、数年前、アーティストの方々と同じ船に偶然乗り合わせたことがあったそうです。「飲みながら歌っていたら、だんだんアーティストさんも集まりだして、即興で音楽あそびが始まったことがあった」と、嬉しそうにお話してくれました。
「人はなぜ歌うのか。おばあちゃんが踊ってても、子どもが歌ってても、誰もが音楽を楽しめる。商業ベースじゃない、音楽の原点がある。」という想いを、第一線で活躍されている技術者の方が小田川さんに語ってくれたそうです。また、「イベントの前後、島の人と一緒に飲んだり話したりする時間がとても楽しい」ともおっしゃっていたそう。
みなさん、多忙な中24時間かけて来てくださるのには、「小笠原が好き!」「小笠原の人が好き!」という気持ちが根本にあるようです。運営の方も、アーティストの方も、根底に「愛」があり、それで成り立っているイベントなのだなぁと、インタビューを通して深く実感しました。

片道24時間…ありがとうございます!
ジャズフェスをめいっぱい楽しむ4つのコツ
さて、そんな想いの詰まったジャズフェスティバル、私たちが目一杯楽しむにはどんなことができるでしょうか。
その1|前後のイベントに参加してみること
前後のイベントは有料のワークショップになることが多いですが、少人数&プライベートでアーティストさん達と音楽を楽しめる企画が盛り沢山!
前回のイベントは、
・人数限定での音楽ワークショップ
・前夜祭(会費制交流会)
・人数限定フェアウェルBBQ
・アフターパーティーの星空ミニライブ(荒天にて中止)
・楽器メンテナンス(無料で診てくれていました!)
などがありました。

2018年の前夜祭に参加された方よりご提供いただきました。躍動感がすごい!
フェス前のワークショップに参加した方々が、当日にアーティストさん達と大団円で大トリの演奏をしていたので、もしかしたら次回もワークショップに参加すればステージ上でプロの方々と一緒に演奏できちゃうかもしれません!
音楽の熱気を、演奏者側として感じたい、一緒に作りたい、プロのアーティストと音楽を奏でてみたい方は、事前ワークショップへの参加がおすすめです。
予定が変更される場合もありますが、いずれにせよ少人数でガッツリ、プロの皆様と一緒に音あそびが楽しめるので、音楽好きの方には最高の時間です!
その2|お店を出店してフェスを盛り上げながら楽しむこと
飲食や物販など、それぞれやりたいお店を申請することが可能です。仲間と一緒に働きながら直近で音楽が聴けるなんて、とっても楽しそうですね!(ちなみに、内地(本土)からの出店も大歓迎だそうです!)

気の知れた仲間達と出店、楽しそうです!
その3|スタッフとしてフェス全体に関わること
ボニンアイランドジャズ実行委員会では、随時ボランティアを募集されており、当日の会場設営から、広報、デザイン、文章書類作成など、さまざまな分野で一緒にイベントを作り上げていくことができます。
ボランティアに興味がある!お店を出店してみたい!など、参加してフェスを盛り上げたい方は、下記リンクから問い合わせてみてください。
その4|旅行会社のフェス向けツアー企画に参加する
フェスだけでなく、島の魅力を全部楽しみたい!そんな方は、旅行会社が催行しているツアー企画に参加するという手もあります。音楽も、大自然も、宿で過ごす島時間も、まるごと味わえるパッケージです。
まだ詳細は出ていませんが、小笠原専門のツアー会社『ナショナルランド』さんのホームページをチェックしてみてください。
速報「BONIN ISLAND JAZZ 2023」出場アーティスト情報!!
先日、12月10日(日)開催予定の「BONIN ISLAND JAZZ 2023」に出場するアーティストも決定いたしました!
昨年ステージをアツく、最高に盛り上げてくださった『BimBomBam楽団 feat.元晴』さんも小笠原に帰ってきてくださるとのことです!
さあ、次回のBONIN ISLAND JAZZ 2023まで残り2ヶ月を切りました。
日常とは少し離れた島、小笠原で素敵な音楽の時間を過ごすために、そろそろ準備を初めてみてはいかがでしょうか♪

人間好きなウクレレプレーヤー
YUKA|ゆうか
「島にはどんな人たちがいてどんな日常を営んでいるのか体感したい」という興味から小笠原の父島に移住しました。
現在は内地にて「本来の自分で気持ち良く生きる」をテーマに実験&ヨガの勉強中。
島にいるときはウクレレ会や音楽会をやっています。
【Youtube】ゆうかYUKA
(https://www.youtube.com/channel/UCuYXD7PxGBMheU8g675T4jQ)
Youtubeでは、島や色々な場所でウクレレ弾き語りや解説を配信しています♪
【Instagram】yukatanipooo
Instagramでは、ウクレレで歌いながら(島暮らしの)日常や今後の活動について、プライベートについてを気ままに発信中!
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