自然

海がピンクに!?その理由は・・・サンゴの産卵!!

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枝サンゴの群生が広がる製氷海岸

宿や商店の並ぶ大村地区より車で5分ほどの距離にある『海洋センター』(通称カメセンター)の前に広がる『製氷海岸』

建設会社のプラントを背に停泊中のおがさわら丸を臨み、右手には漁船の並ぶ父島漁港。

製氷海岸

製氷海岸

案内の立て看板もなく、プラントへ出入りするトラックの音が耳に入り”静寂の広がる南の島のビーチ”といった雰囲気ではありません。

 

が、実はこの製氷海岸、ほかのビーチにはない隠れ家的な魅力を秘めているのです。

それが、どこまでも続く枝サンゴの群生。

製氷海岸2

波打ち際から入ってすぐに広がるサンゴの群生、サンゴの隙間を出入りするカラフルなサカナたち。

シュノーケルセットを身につけて海に入ると、時間を忘れてしまうほどに美しい景色を楽しむことができます。

6月上旬の風物詩・サンゴの大放卵

硬い骨格に覆われて石や鉱物のように見えるサンゴですが、太陽の光を浴びて酸素を放出し、海の中の栄養を豊かにしてくれている生き物です。

卵を産んで子孫を広げる動物なのです。

 

こちらの枝サンゴが、5月下旬から6月上旬の頃に一斉に卵を産む夜があります。

ダイバーには人気であり、未経験のダイバーにとっては憧れでもある『サンゴナイト』

サンゴの産卵が行われるのは夜なので、ナイトダイビングでその景色を堪能しようというツアーです。

真っ暗な水中で懐中電灯片手に、枝サンゴから無数に湧き上がるピンク色のツブツブの中を潜るのは、幻想的な体験です。

サンゴの産卵3

世界一広いサンゴ礁・グレートバリアリーフを抱えるオーストラリアや沖縄地方では、満月の前後に大規模な産卵が行われます。

10年ほど前、オーストラリアの研究評議会が満月とサンゴの産卵の関係性についての研究結果をアメリカの科学雑誌『サイエンス』に発表しました。

新月から満月へと月の放つ光が強くなるにつれ、サンゴの体内センサーとなる遺伝子も活発になって、最大の光を放つ満月の夜にスイッチが入り、一斉産卵が起こるというものです。

沖縄の各ダイビングショップでも、6月上旬の満月の頃に予想を立ててダイバーへと配信しています。

 

…でもなぜか、小笠原のサンゴは半月前後の小潮周りの頃に大放卵をするのです…

2018年シーズン初の小笠原サンゴ一斉放卵は?

一斉に産卵が行われる数日前からぽつぽつと生まれているので、ビーチ周辺には産卵後特有の生臭いにおいが

漂います。
6月に入り、『そろそろ一斉放卵だね』と、私が以前働いていたショップでも、スタッフが潮汐表と過去の情報を見ながらあれこれと予想を立てていました。

 

数日後の朝。

製氷海岸の波打ち際が、ピンク色に染まっていました。

満月から1週間、あと3日で半月というタイミングでの一斉放卵。

前夜、ダイバーたちはうまくエントリーしていたでしょうか…?

ピンク色に染まった波打ち際を見るたびに、海の中で新しく誕生した命、月と海の神秘な関係に想いをはせつつ、あれやこれやとサンゴナイト予想を立てていた頃ををなつかしく思う朝なのでした。

製氷海岸

マーメイドカフェ

Mermaid Cafe オーナー

あらいたかみ

小笠原の海に魅せられて、1998年より小笠原に移住。
ダイビングインストラクターとしての仕事を引退した後、少女の頃の夢『手作りケーキとおいしいコーヒーの店』を移動販売車で始める。

https://www.facebook.com/chat.chatty.mermaid/

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