カナヅチでインドアだったIT女子のわたしが小笠原で過ごした2航海。
はじまりのお話は
>> カナヅチでインドアなIT女子がはじめて小笠原に行ってみた<1>
で書かせていただきましたが、不安から始まったこの旅。
どうなったのか、続きをお話しします。
ずっと不安ばかりを抱えていてもしょうがない。
体力がないのは今までひ弱な自分を甘やかしていた自分のせいだから。
「ひ弱な自分を変える!」
そんなチャレンジの言葉を胸に、小笠原ではたくさんの「はじめて」を経験しました。
ハートロック(千尋岩)ではじめての山登り
本格的な山登りはほぼ初体験だったのですが、今回はツアーに参加させていただいたのにとても救われて。
ひとりでは絶対に登れなかった山も、一緒に登った仲間や、ガイドさんの応援のおかげでなんとか一番綺麗なポイントまで上がることができました!!
いつも途中で諦めちゃうわたしが見た山頂の景色は、なんと美しかったことか。
登っている最中はとても辛くて何度も途中リタイヤしようかなと思ってしまいましたが、一緒に登ったみんながすごく励ましてくれて。
往復6時間程度の長い山登りをちゃんと最初から最後まで頑張れたのははじめてで、達成感で泣きそうになってしまいました。
ケータではじめての海
実はわたし、海に入ったことが人生で一度もありませんでした。
初めて入った海が小笠原、しかもケータというとても美しい場所。
今まで見たことのない美しい海。
すぐ目の前にイルカやマグロが泳いでいる海に、人生ではじめて入りました。
カナヅチなのでとても海が怖かったのですが、同行した島の方に勇気づけられて入ってみると溺れない!(ライフジャケットを着ているからなのですが)思ったより怖くない!!
同行してくださった方々の励ましもあって、初めての海をなんとかクリアできた時の嬉しさといったら! 実家に電話して親に「海入ったよ!」と伝えたいくらいでした!
人生ではじめて泳げた
なんと、小笠原では人生ではじめて泳ぐことができました!!
最初は海に浮かぶところから、ボディボードに手を乗せて、手を引かれて、最後は手を離されるまで!
最初の海ではライフジャケットを着ていたのに、ライフジャケットなしで泳げるようになって本当に嬉しくて!!
今までチャレンジしたことのないことにチャレンジする、というのが小笠原でのわたしのテーマだったのですが、その中でも一番大きな出来事で、多分一生忘れることができないと思います。
その他のはじめてもたくさん!
小笠原では今までやったことないはじめてをたくさん経験しました。
人生初、海に入った
人生初、泳げた
人生初、シュノーケリングした
人生初、ウミガメを見た
人生初、満点の星空を見た
人生初、釣りをした
人生初、毎日飲んだ
人生初、海岸の岩場でロッククライミングもどきをした
どれも小笠原に来なかったら絶対にチャレンジしないこと、体験できなかったことで。
なんでわたしがここまで人生ではじめてのことだらけにチャレンジできたのか。それは「小笠原」という不思議なパワーを持った島のチカラと、出会った島の人の助けがあったから。
もしかしたら小笠原に来なかったら絶対にやらなかったことであろう体験がたくさんできたことに自分でも驚いていて、今でも信じられません。
小笠原というのは不思議な島で、一人で来ていたはずなのに、最後はたくさんの仲間が増えて、帰る頃には島の人みんなが忘れられない「家族」のようになってしまうところで。
最初は誰も知り合いがいなかったわたしが、1日1日を過ごしていくにつれて顔見知りの人が増え、だんだん町で声をかけられる回数も増えてきて。
あるときは宿のお母さんに帽子や靴を貸してもらったり、あるときはカフェのお姉さんとゆっくりお話をしたり、あるときはレストランで歌を聞かせてもらったり、あるときは恋愛相談をじっくり聞いてくれたり。
短期間で帰ってしまうであろう旅行者にこんなにあたたかくしてくれるなんて。
それはさながらRPGで仲間が一人ずつ増えていくかのような、一人繋がったらどんどん繋がっていく不思議な出会いがたくさんあって、最初は不安でどうしようもなくなっていたわたしが、いつの間にか島時間と島の人々のあたたかさに全てを包まれているような感覚に陥っていたんですよね。
せっかくたくさんのはじめてを体験して、せっかくできないことができるようになって、せっかく島の人と仲良くなって、こんな体力のないわたしでも、もしかしたらここにいていいのかも? と思ったその瞬間に別れは訪れました。
帰り際に予想もしていなかったレイのサプライズ。たくさんいただいたお土産。そしてお見送りの太鼓。
仲良くなった島の人、お世話になった島の人との別れの挨拶をしている間に涙がどんどん溢れて来て。
実は最後の最後まで、体力がなくて運動音痴のわたしはこの島に来てはいけなかったのかなと思っていたのですが、わたしを見送ってくれる島の人がいたことにびっくりして、その時やっと自分が島に受け入れてもらえてたんだなあって気づいたんですよね。
勝手に自分で扉を閉じていたけれど、ちゃんと受け入れてもらっていた。
- そして、お見送りの船。おがさわら丸を追いかけてくるたくさんの漁船やツアー船。
「いってらっしゃい!」
「ありがとう、また帰ってくるね!」
さようなら、また来てね、じゃない。いってらっしゃいと帰ってくるね。
港に向かってもらったレイを海の中に投げ、追いかけてくるたくさんの船とその船からダイブする島の人々を見ながら、30分は泣き続けていたと思います。
こんな別れ、ずるい。忘れられなくなる。ずるい。
このときの景色がずっと頭の中に残っていて、たくさんの島の人のあたたかさの記憶が私の脳裏にずっと焼きついていて、ずっと離れなくて、内地に戻ってもずっとずっと鮮明な記憶のままでした。
わたしが小笠原からもらったもの。それはもしかしたら
「わたしはわたしのままでいい。でもチャレンジしたら何でもできるようになる」
っていう自信だったのかもしれません。
美しい自然と、美しい自然と共に生きる島の人々はいつも自分らしく、自分に自信と覚悟を持って生きている。
人よりできないことがあってもいい、体力がなくなって運動ができなくたって、自然は受け入れてくれるし、人も受け入れてくれる。そんな懐の大きさを小笠原と小笠原に住む人々から感じました。
あんなに不安なスタートだったのに、旅の終わりはこんなに泣いて帰ってくるなんて。
もし、もう一度小笠原に行きたいですか? と聞かれたら
「もちろん、もう一度小笠原に帰りたい!」
と自信を持って答えられます。
次は新しいチャレンジをしてみよう。もっと泳げるようになってイルカと泳いでみたいな。今度は登山道具をしっかり揃えて乳房山登れるかな。次はクジラを見てみたいな。
そこには、旅に出る前のひ弱で運動音痴なわたしとは別のわたしがいました。
自分に自信をつけてくれる島、それがわたしにとっての小笠原。
もし、自分に自信がない、何か迷っていることがある、人生に行き詰まった。そんな人がいたら小笠原に行って心の洗濯をしてみてもいいかもしれませんよ?
小笠原、だいすき。
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