今回は様々な小笠原の素材を使って調味料やお菓子、化粧品を作られている福田真琴さん(ノスリ工房)にお話を伺います。
ライブドリアード2020 in Ogasawaraでは「島レモンのお酒」の提供を予定されていたそうです。ノスリ工房さんといえば調味料も有名ですが、その辺りの開発秘話などもお聞きしていきたいと思います。
「島レモンのお酒」の提供ご担当 福田真琴さんインタビュー
小笠原マガジン編集部
ノスリ工房さんでは小笠原の農産加工品を手掛けられていらっしゃいますが、ライブドリアードではどのような企画を考えられていたのですか?
福田
今回ライブドリアートに参加させて頂くのにあたり、「飲食」の部分でサポートできればと考えました。ライブドリアードでは各種体験施設に加え、音楽ライブもあって飲食は必須ですからね。
夏の終わりに収穫される宝石グリーンレモンで作ったレモンサイダーで喉を潤してもらい、お酒を飲みたい方にはレモンソーダのバーボンソーダを。
おつまみにはトマトラスクのチーズ乗せなど色々と企画していました。
小笠原マガジン編集部
島の農産物は美味しいですからね。やはり、地産地消にこだわるライブドリアードですので、ノスリ工房さんも小笠原産にこだわった企画を考えられていたのですか?
福田
島の人はよく知っているのですが、小笠原で育った農産物はとても美味しいんです。
『硫黄島唐辛子』は太陽をたっぷり浴びて激辛に育ちますし、宝石『グリーンレモン』は緑色で完熟を迎えて香り高く甘味がある果汁が特徴です。『パッションフルーツ』は小笠原のフルーツの王様らしく甘酸っぱい果肉が最高に美味しい。
他にもスターフルーツ、マンゴー、ドラゴンフルーツなど南の島ならではの気候に合ったフルーツが育ちますし、冬に収穫されるトマトは別格に美味しい。
まさに太陽の恵の結晶です。
旬の一番美味しい時に来島出来るラッキーな方はほんの一握りです。
旬の一番美味しい味覚をライブドリアードでは皆さんに味わって欲しかったです。
小笠原マガジン編集部
今回、ノスリ工房さんがOEDCに参加されライブドリアードにも出店されようと考えられた経緯を教えてください。
福田
小笠原の自然は豊かです。小笠原独自の美しい自然を今後も維持するために、欠かせないことは”外来種と言われている植物”をどのように”人間”がコントロールしていくのかということだと思います。
前回までのOEDC記事でご紹介されたボールペンやアクセサリーや食器にしたり、楽しくエネルギーに変えたりと島の人たちのアイディアは豊富で刺激的です。OEDCにはそんなアイディアが豊富で自由な発想の持ち主が集まってきます。
そんな島の仲間達と一緒に島を良くしていきたいと考えたのがキッカケです。
皆が自分の得意分野で小笠原を表現する。それができる場がOEDC。
そうそう。仲間うちには木の樹液から自然な色を抽出してクレヨンを作ろうとするアイディアも新たに出ています。今後がとても楽しみですし、仲間たちそれぞれの活躍から目が離せない。自分も沢山刺激を受けて商品を開発していきたいと思っています。
小笠原マガジン編集部
小笠原の農産加工品を手掛けるノスリ工房さん。地域資源を利用するというOEDCの活動が始まる随分前から活動をされてますよね。
どのような経緯ではじめられたのですか?
福田
ノスリ工房を立ち上げたのは2002年。当時はまだ小笠原産のお土産物が少なく、観光客も選択肢があまり無いのが不満だという声を聞いていました。
せっかく28時間(当時はそれだけかかった)もかけて小笠原まで来たのだから、お土産物も小笠原でしか手に入らない物が欲しいとの声を受けてからスタートしました。
最初は硫黄島唐辛子の酢漬け「からいっす」ひとつから。畑を借りて硫黄島唐辛子を育て、収穫し、小さな工房の中でコツコツ作っていました。小さな瓶での販売を続けているうちに、お客様から大瓶も出して欲しい!他の味も出して欲しい!との要望があり、姉妹品の硫黄島唐辛子の酢醤油漬け「からいっしょ」が誕生しました。
そうしてお客様の声や農家さんの大切に育ててきた農産物の美味しさを伝えていきたいと思って一つ一つ作り続け、いまでは40種類を超えるラインナップまでになりました。
ノスリ工房のモットーは「島の恵を美味しく美しく」です。今後も『オラが村にはこんな素敵なお土産物がある』と自慢できるような、小笠原のフルーツの味をそのままにお作りし、自然の美しさを表現したパッケージに包まれた商品を今後も作っていきたいと思います。
今年開催予定をしていた「ライブドリアード2020 in Ogasawara」イベントは延期となりましたが、取組自体は継続し拡大していきたいというOEDCの意向を受け、小笠原マガジン編集部では継続して各取り組みを取材してきました。
全7回に渡ってお伝えしてきた『OEDC(小笠原生態系保全に基づく開発委員会)』による地域振興を目的とした島の新しい取組発表ですが、今回の記事を最終稿としてご案内いたします。これまでご愛読して頂き、誠にありがとうございました。
OEDC
小笠原生態系保全に基づく開発委員会
地域資源を利活用することで、産業を多様化させることを目的に設立しました。
メンバーは島内の各産業分野を担う経営者など。 また、生態系保全のための各分野を専門とする有識者がアドバイザーと参加しています。
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