自然観光

遥かなる島々へ!  硫黄三島クルーズ「南硫黄島」編

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父島から南に300km、絶海の島々を知る旅

太平洋戦争の激戦地として知られる「硫黄島」、無人島の「北硫黄島」に「南硫黄島」。

父島からさらに約300km南にある絶海の硫黄三島は、火山列島とも呼ばれています。

定期航路はなく、現在一般の人は訪れることができない島々ですが、年に一回、小笠原海運主催の、おがさわら丸で洋上から三島を眺める硫黄三島クルーズが催行されています。

遥かなる島々へ向かう、壮大なクルーズ。

今回は「南硫黄島」をお届けします!

硫黄三島クルーズ出港、闇の中を南へ

竹芝発、父島経由で硫黄三島に向かうおがさわら丸。

父島に到着した当日の夜に出港します。

いつもは見送りの人で賑わうおがさわら丸の船出ですが、クルーズ船の見送りの人はまばら。

レア!見送る人が少ないおがさわら丸の出港シーン

これはこれで貴重なワンシーン。

父島を離れたおがさわら丸は、暗闇の大海を南へと進みます。

早朝、南硫黄島に接近

大海原から昇る朝日

早朝、船内放送で、南硫黄島に近づいたことが知らされます。

午前6時前に硫黄三島の最南端にある、ぽっこりした形の南硫黄島が見えてきました。

大海原に現れる島の姿は、とても神秘的です。

大仏様の頭のような!? 南硫黄島

来島を歓迎するように海鳥が船の周りを並走すると、バードウォッチングの方々がカメラを向け始めました。

南硫黄島付近では、アカオネッタイチョウ、アカアシカツオドリ、固有種のクロウミツバメなど、珍しい鳥を見ることができます。

ネコやネズミなどの天敵がいない自然環境の島は、まさに原点の小笠原だとか。

オガサワラオオコウモリ、アカガシラカラスバトなども生息しているそうです。

島の周囲は7.5km、皇居ほどの大きさです。

高さは961m、小笠原諸島の最高峰ですが、海上に見えているのは島の一部だそうです。

波の浸食でできた、険しい海蝕崖に囲まれた島で、平らなところはほとんどありません。

漂着者が3年半暮らした断崖の島

船は島まで700mの距離まで近づき、2周します。

人が暮らした記録はありませんが、明治時代に函館の船が漂着し、3人が母島の漁船に救助されるまで3年半暮らしていたそうです。

以降、硫黄島航路の船は年一回、南硫黄島の周りを巡航し、漂着者がいないか確認するようになったそうです。

2017年には、首都大学東京と日本放送協会の共同研究で、2007年以来10年ぶりの自然環境調査が行われました。

国内初のアカアシカツオドリの集団営巣地や、新種の陸産貝類などの発見があり、南硫黄島の世界自然遺産地域としての価値が再確認されました。

原初の小笠原の姿そのままの「南硫黄島」、いかがでしたでしょうか。

次回では「硫黄島」をお届けします。

今年の硫黄三島クルーズは2018年7月4日(水)〜9日(月)に実施されます。

のなかあき子

元島民ライター

のなかあき子

2015年〜2017年春まで父島居住。
2児の母。島生活で太鼓とパッションフルーツに目覚める。
父島のおすすめスポットは「製氷海岸」「コペペ海岸」「三日月山展望台への脇道」。
著書に『東京のDEEPスポットに行ってみた』(彩図社)など。

https://twitter.com/akikononaka