自然

歩いてみよう小笠原の遊歩道。そこは固有の植物が織り成す独自の世界…

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小笠原はかつて一度も陸続きになったことがない海洋島。つまり、ここに自生する植物の種は、海流や風にのって、もしくは鳥の糞や体に付いて辿り着いたもの。

そしてたどり着いたものの中には、隔離された特殊な環境に適応するために独自の進化を遂げ、固有の植物としてこの地に根付きました。

固有植物01

ビジターセンターで開催中の特別展『遊歩道の固有植物「父島編」2019』では、父島の遊歩道から見ることができる固有植物のパネル展示を行っています。

「これからこの遊歩道を歩いてみよう!」もしくは「この遊歩道歩いたよ!」

という方、ぜひ展示をご覧ください。
何気なく歩く遊歩道で、そこでしか生育していない植物に出会えるかもしれないですよ♪

固有種:タコノキ(タコノキ科)小笠原村の木

固有植物02

気根(地上の茎から出た根)がタコの足のように見えることから「タコノキ」。
果実の中の胚乳は食用、葉はタコノ葉細工に利用され、古くから村の生活に密につながってきました。
沖縄などで見られるアダンと似ていますが、種子の数、樹高や生え方、鋸歯の違いなどが見られます。

固有種:テリハハマボウ(アオイ科)

固有植物03

広域分布種の海岸植物オオハマボウから分化し、山地を生育地とします。

オオハマボウと比べ葉は小さく、無毛で照りがある他、種子は海水に沈んでしまうなどの違いが見られます。

植物は子孫を残すためには、媒介者の役割を担う鳥類や昆虫類など、さまざまな動物との関わりは不可欠です。海洋島である小笠原は、島外からの生物が入りにくいため、独自の生態系を作り上げてきましたが、近年、外来生物の侵入により固有植物の生存が脅かされているのも事実です。

固有植物04

現在小笠原に自生する植物は約280種。そのうちの45%にあたる125種が固有種です。

しかし、人間の手によって持ち込まれた外来植物による侵略や、ヤギやネズミなどの外来生物による食害、またグリーンアノールによる花粉媒介昆虫の捕食などにより、その個体数が著しく減少してしまったものも・・・

固有種:コヘラナレン(キク科)

固有植物05

ヤギの食害でその個体数が激減し、絶滅危惧ⅠA類(環境省レッドリスト2019)に指定されています。
一度も陸続きになったことがないこの島が作り上げてきた自然。
どうやってこの植物はやってきたのかな?
どうやって進化したのかな?
いろんなキセキが作り上げた、たぐい稀なる植物が織り成す世界に出掛けてみませんか?

固有植物06

■各遊歩道で見られる植物を掲載した無料リーフレットもご用意していますよ♪

ご希望の方は解説員までお気軽にお尋ねください。

固有植物07

小笠原ビジターセンター

開館日
おがさわら丸・観光船入港中
午前8時30分~午後5時00分まで
*GW・夏期などは、毎日開館いたします。
*夜間開館日あり
*開館日については適宜お知らせいたします。

問い合わせ
04998-2-3001
https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/

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