せっかく小笠原に来たのに雨・・・。残念ですがそんなこともあり得ますよね。でも遠くまで来たなら小笠原を最大限に楽しんでもらいたい!
そんな気持ちで、雨の日の小笠原の楽しみ方をご紹介します。私も実際に楽しんできたので自信を持っておすすめするものばかりです!
雨の確率が多いのは?小笠原シーズナリティー
できることなら雨を避けて旅行を計画したいもの。自然現象なので確実に降りませんとは言えませんが、雨が降りやすい時期を避けられれば晴れた小笠原を楽しめる可能性が高まりますよね!
実は小笠原には梅雨と定義される時期はありません。しかし雨が降りやすい時期というものはあり、雨季と呼んだりします。グラフは平成27年のものでこの時は特に8月の降水量が多い年でしたが、基本的には5月頃と11月頃が降水量が多い傾向にあります。
雨でもOK!母島でしかできないレア体験
ここからは小笠原で雨でも楽しめることを紹介していきます!
カカオ農園見学&母島特産物作り
まずおすすめしたいのが、「カカオ農園見学&カカオシュクレニブorレモンジャム作り体験」です。
母島でカカオが採れるって知っていますか?カカオの生育条件は非常に限定的で、赤道付近の国々のみで栽培されてきました。日本では生育が難しいとされているカカオですが、近年研究が進み、小笠原や沖縄でも栽培されるようになってきました!
母島では、カカオ農園の見学と、カカオを使ったシュクレニブ作り(もしくはレモンジャム作り)が体験できます!シュクレニブとは、チョコレートの原料となるカカオニブ(カカオ豆の胚乳)を砂糖で甘くしたものです。
農園には約500本ものカカオの木が栽培されています。カカオは思ったよりも大きくて、色鮮やかでおしゃれな色味。私は初めて本物のカカオを見たので結構興奮しました!国内では大変珍しいカカオ農園は一見の価値ありです。
農園見学の後は、場所を移動してカカオシュクレニブ作りとレモンジャム作りへ!(通常はシュクレニブかジャムどちらかの選択です)
アウトドアな環境での調理はとても開放的な気持ちでした。出来上がったらその場で試食。カカオシュクレニブは普段食べるチョコレートよりも若干の苦味があるものの、アイスにかけて食べたシュクレニブは上品な味でおいしかったです。余ったシュクレニブは持ち帰れるのでちょっとしたお土産にもなりますね!
雨が降っている場合は屋根がある場所で行うとのことなので、雨天でも問題ありません。
ちなみに、母島産のカカオを使用したチョコレートは母島・父島島内のお土産屋さんや、東京都内の一部のお店でも購入することができますよ!
【問い合わせ】
シン・パーソナルツアーPoCo
自社運営の「タエコニ農園」もしくは協賛農園に案内
Instagram:https://www.instagram.com/taekonifarm/
TEL:04998-3-2525
子どもも楽しい!屋内できるアクティビティ
タコの葉細工
小笠原の村木であるタコノキの葉っぱを使った伝統的民芸品、タコの葉細工の体験はいかがでしょうか?簡単なものは子どもでも作れるので親子で楽しめるのもポイントです!
私は母島のロース記念館で体験してきました!ロース記念館には帽子や履き物、バッグや小物入れなど様々なタコの葉細工が展示されていますが、ここで体験できるのはブレスレット作りです。
腕のサイズに合わせて型を選び、保存加工と着色が施されたタコの葉の中から好きな色を選択して編んでいきます。タコノハ研究会員の方が丁寧に教えてくれるので、手芸に慣れていない人でも問題ありません。およそ20分くらいでかわいいブレスレットができました!
父島でもタコの葉細工体験ができるツアーがありますよ。また、お土産屋さんではアクセサリー類などが販売されているので、島ならではのお土産としておすすめです。
【問い合わせ】
ロース記念館
〒100-2211 東京都小笠原村母島字元地
TEL:04998-3-2064
シーボーンアート
シーボーンアートってご存知ですか?「Sea Born Art =海から生まれた芸術品」という意味で、漂流物などから作り出されるものを言います。ガラス・ビン・ペットボトルなど、そのままでは海のゴミとなってしまうものを活用して作るオリジナル作品。父島の「パパスダイビングスタジオ」さんはNPO日本渚の美術協会に所属しており、ゴミがなくなることを願ってシーボーンアート活動を行っています。
私はキャンドルシェード作りをやってきました!ビーチグラスを紙コップに沿って積み上げていきます。選ぶ色や積み上げ方によって仕上がりが変わるので、完成品をイメージしながら慎重に作っていきました。コツを掴めば楽しくなってきて、気づけば集中していてあっという間に時間が過ぎていました。
接着剤はすぐに乾くので、最後にその場で電気セットして完成!小笠原で世界に一つの作品作りもいい思い出になりますね。
今回は用意されたビーチグラスを使いましたが、時間がある人は自分で拾ったビーチグラスや貝殻を使うこともできます。球体のランプシェードを作るクラスもあって、次の機会はぜひそれを作ってみたいなと思いました。
【問い合わせ】
PAPA’S DIVING STUDIO
(パパスダイビングスタジオ)
〒100-2101 東京都小笠原村父島字西町
TEL:04998-2-2373
HP:https://papasds.com/
Instagram:https://www.instagram.com/papas_diving/
鉄板!雨の日観覧OKな小笠原の館内施設
ここまで雨の日でもできる体験をご紹介してきました。次は雨の日でも安心な館内施設をご紹介します。
館内施設①ビジターセンター(父島)
小笠原の自然や歴史のことが学べる「小笠原ビジターセンター」。昔の小笠原の生活が覗けるゾーンや、珍しい動植物を紹介したコーナー、イルカやクジラの目撃情報Mapなど、小笠原にまつわるあらゆる情報収集や学習ができ、行って絶対に損はない施設です!定期的に企画展も行われています。
図書コーナーでは小笠原にまつわる図書の閲覧もできるので、雨の日はゆっくりと読書に浸るのもいいかもしれませんね。
【問い合わせ】
小笠原ビジターセンター
〒100-2101 東京都小笠原村父島西町
TEL:04998-2-3001
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/nature/ogasawara/
(東京都公園協会HP)
館内施設②小笠原世界遺産センター(父島)
世界遺産という観点から小笠原の価値や取り組みを紹介展示している「小笠原世界遺産センター」。決して大きな施設ではありませんが、思わず見入ってしまう展示内容です。クイズなどもあり子どもも楽しみながら見学できます。ガラス張りになっている保護増殖室ではマイマイ(カタツムリ)やハンミョウの飼育風景をガラス越しに見ることができますよ!
【問い合わせ】
小笠原世界遺産センター
〒100 – 2101 東京都小笠原村父島字西町
TEL:04998-2-7174
HP:https://ogasawara-info.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/ogasawara_whc/
館内施設③水産センター(父島)
小笠原の小さな水族館!「小笠原水産センター」では、小笠原の海・河川にいる生物の研究と飼育を行なっています。入り口にある「アカバの歯磨き」は自ら口を開けて歯磨きされにくるアカバ(アカハタの島名)がかわいくて何度もやってしまいます(アカバの歯磨きは屋外です)。屋外にはウミガメやネムリブカ(サメ)の水槽があるほか、館内には様々な生物の水槽が並んでおり、子どもも大人も楽しみながら見学できます。
【問い合わせ】
小笠原水産センター
〒100-2101 東京都小笠原村父島清瀬
TEL:04998-2-2545
館内施設④海洋センター(父島)
父島の中心地から少し離れた場所にある「小笠原海洋センター」。小笠原の海洋生物の研究・飼育が行われています。館内の展示コーナーでは小笠原の歴史やウミガメ・クジラなどの分布や生態紹介をパネル展示。ウミガメの骨格標本は必見です!展示コーナーを出るとウミガメの水槽があり、想像以上の大きさのウミガメに驚かされます。ウミガメの餌付け体験もできますよ!
さらに進むとウミガメの水槽がずらっと並び、時期によっては生まれたての子ガメがもたくさん。ウミガメを見る機会はなかなかないかと思いますが、ここに来れば一生分のウミガメに出会えます!ウミガメとの記念撮影も可能!(別料金)
さらに興味がある方には、放流体験やウミガメ教室、クジラ教室なども用意されています。いずれも季節やタイミングによって必ずできるわけではないので、直接問い合わせてくださいね。
【問い合わせ】
小笠原海洋センター
〒100-2101 東京都小笠原村父島屏風谷
TEL:04998-2-2830
HP:https://bonin-ocean.net/
Instagram:https://www.instagram.com/ogasawara_marine_centre/
館内施設④ロース記念館(母島)
タコの葉細工体験のところでご紹介したロース記念館。観光客向け館内施設としては母島唯一です。ロース石を使って建てられたこの建物は、農協支店、郵便局として使われた後に現在の郷土資料館として使われています。母島の昔の生活がわかる展示が盛りだくさんです。
【問い合わせ】
ロース記念館
〒100-2211 東京都小笠原村母島字元地
TEL:04998-3-2064
雨だからこその出会いもある小笠原
雨だと少しがっかりしていますが、せっかく小笠原まで来たのなら雨だと割り切ってできることで楽しみましょう!
光るキノコとして有名なグリーンぺぺ(ヤコウタケ)は、雨が降った後には出会える可能性がぐっと上がります。また、小笠原はスコールのような雨も多いですが、虹の出現率もとても高いです!雨がもたらしてくれるものに期待するのもいいかもしれませんよ。
なお、ダイビングやドルフィンスイムなど海のアクティビティは、多少の雨では中止にならないので、ツアーを予約していても諦めないでくださいね。
この記事を読んで、雨の小笠原旅行になっても「行ってよかった!」と思ってくれる人が一人でも多くなることを願います。
島旅ライター
ありこ
離島にハマり、時間を見つけては南の島に足を運ぶ都内在住の会社員。沖縄諸島を中心に50以上の離島を訪れ、最近では無人島へもよく行っている。マリン系雑誌の編集ライターの経験があり、離島に行くと細かいところまでチェックするのがクセ。
写真を撮りまくる傾向がある上に地図に弱いため、島内巡りには時間を要する。他の人があまり行かないマニアックな離島やエリアに行くのが好き。離島では島民や旅人と話している時間が何よりも楽しい。
Instagramはユーザーネーム ariko_marine で検索。離島に特化したブログも運営中。こちらのURLからどうぞ。