海のアクティビティ

日本で最初にホエールウォッチングツアーが行われたのは小笠原なんです。

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前回の記事では、「ダイバーの夢」とも言っていい、ダイビング中のクジラとの遭遇について書きましたが、日本で最初にホエールウォッチングが行われたのは小笠原なんです。
1988年に「鯨者連」というグループが行ったそうです。

私が最初にクジラを見たのは1993年の3月、ダイビングをしに父島へ行った時です。
ダイビングの合間にホエールウォッチングができたのですが、なによりもその大きさ、迫力に感動しました。
そして、なんとダイビング中にもクジラに出会ってしまったのです。

よくクジラを見ると人生観変わるなんて言います。

私は2008年に神奈川から父島に移住したのですが、このときのクジラとの出会いが一つのきっかけになったことは間違いありません。

ホエールウォッチング

漁船でホエールウォッチングをすることもありました。

日本国内のホエールウォッチング

ザトウクジラのウォッチングは小笠原以外では沖縄も有名ですが、近年ではザトウクジラの数も増えたためか、奄美大島でもホエールウォッチングが行われるようになりました。
昨シーズンは八丈島でも姿を見かけることもあったようです。
小笠原では12月から4月末ころまでがザトウクジラの来遊シーズンですが、ホエールウォッチングにはクジラの数が多い2月から4月ころまでがおすすめです。
年々やってくるクジラも増えているのですが、それと同時にボートに興味をもって近づいてきてくれるクジラも多くなった気がします。

ホエールウォッチング02

ボートに近づいた母子のクジラ。5分ほどボートから離れませんでした。

小笠原のホエールウォッチング

ザトウクジラは小笠原に繁殖、子育てのためにやって来るので、小笠原生まれのクジラは子供のころからウォッチングのボートを見慣れているのかもしれません。

その子供は成長して、お母さんになってもボートを怖がらないのでしょうか?
そのためか、ボートに興味を持って寄ってきてくれる親子も多く、ボートの下をくぐったり、すぐ近くでブロー(呼吸)をされると、その音とともに飛沫がかかることもあり、それは大迫力です。

そんなときはボートから海にカメラを入れて水中写真が撮れることもあります。
最近、持っている方も多い棒つきのGo Proなどの小型カメラがあれば、手軽に水中撮影できるチャンスもあります。(小笠原ではクジラと泳ぐホエールスイムは行っていません。)
この映像がまさに、棒につけたカメラ(ソニーアクションカム)で撮ったものです。

陸上からもホエールウォッチングができる!

ザトウクジラは、岸近くの海にいるので、三日月山のウェザーステーション展望台からも肉眼で見ることができます。

クジラの数が増える2月にもなれば、いくつものブロー(潮吹き)やブリーチング(ジャンプ)をする姿も見えます。
天気が良い日は、お弁当をもってのんびりホエールウォッチングをする島民も多いです。
双眼鏡があればなお良いですね。(小笠原ホエールウォッチング協会でレンタルもできます。)
ちなみにウェザーステーション展望台は、夕日のスポットとしても有名ですので、この時期には、サンセットの美しい海に泳ぐクジラの姿を見ることもあります。
たくさんのクジラが岸近くで見られる小笠原ならではのウォッチングかもしれません。
船に弱い方は、この陸からのウォッチングもおすすめですね。

展望台にはクジラの行動の解説板もあります。

ザトウクジラの戸籍台帳!?

ザトウクジラの尾びれの裏側の模様(白と黒の割合)は、一頭一頭それぞれ違った模様になっていて、その模様や傷などで個体を見分けることができます。
ちょうど人間の指紋のようなものでしょうか。
その尾びれの模様を写真(IDと呼びます)に撮り、個体識別することで、そのクジラがいつ生まれて、何度小笠原に戻ってきたかがわかるのです。
クジラの戸籍台帳といった感じでしょうか。

ホエールウォッチング03

さまざまな模様や傷のザトウクジラの尾びれの裏側

小笠原で個体識別されたクジラの中でも、最も有名なクジラが「モッチーニ」とニックネームがつけられたお母さんクジラです。
このモッチーニは1992年に父島で母親といるのが確認されました。
以来、何度も小笠原の海で確認されていて、2000年には初めて子供を連れているのが見られました。
モッチーニは2、3年おきくらいに子供を産んでいるようで、昨シーズン(2017年の3月)にも子供を連れた姿を父島で確認しています。
モッチーニの特徴は、尾びれの右端が丸くかけていることで、尾びれを上げたときにすぐわかります。

ホエールウォッチング04

小笠原で有名クジラの「モッチーニ」の尾びれ、右端が丸くかけているのが特徴

たくさんのクジラがやってくる小笠原ですが、毎年同じクジラが帰ってきてくれて、そのクジラにまた出会えるかもしれないなんて、わくわくしませんか?

みなさんも小笠原の有名人ならぬ有名クジラ「モッチーニ」に会いに来てみませんか!

南俊夫

写真家・ガイド

南 俊夫

22歳の時に初めて小笠原を訪れる。大学卒業後、設計会社に勤めるが27歳で父島に移住。以来、20年のダイビングガイドをしながら小笠原の自然を撮影し続ける。2011年からはアホウドリの保全活動にも従事しする。
作品は国内外の広告、出版物で使われ、2015年にはアメリカのネイチャーズベストマガジンの表紙を飾った。
著書
「イルカ海に暮らす哺乳類」あかね書房 
「僕はアホウドリの親になる」偕成社
受賞歴
2000年
ナショナルジオグラフィックフォトコンテスト入賞
2008年
米、ネイチャーズベストマガジンフォトコンテストOcean部門入賞
2011年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト2nd Place
2015年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト11nd Place

写真展
2012年6月
「コニカミノルタ環境企画展OGASAWARA未来へつなぐ自然展」 新宿コニカミノルタギャラリー
2013年11月
「海のシェルパ展 AQUANOTE」四人展 新宿ヨドバシカメラギャラリーINSTANCE
2015年10月
「小笠原の今を知る 南俊夫写真展」葛西臨海水族園
2018年10月「アホウドリ復活への挑戦 ~小笠原で行われたこと」品川キヤノンギャラリー
作品は下記ウェブサイトで見ることができる。

http://toshiominami.com/