海のアクティビティ

奇跡のショット!空飛ぶイルカ?小笠原のドルフィンウォッチングは凄いんです!

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美しいハシナガイルカ

ドルフィンスイムツアーの一番の目的は、なんといってもミナミハンドウイルカとのドルフィンスイムですが、小笠原の海でよく見られるイルカにはもう一種類、ハシナガイルカというイルカがいます。

ミナミハンドウイルカとのドルフィンスイムは御蔵島などでも行われていますが、ハシナガイルカが見られるのは小笠原のドルフィンウォッチングならではと言えるでしょう。

ハシナガイルカ01

ボートと並走してジャンプするハシナガイルカ

ハシナガイルカは、ミナミハンドウイルカより小さく全長1.5mほどで、体はグレーのツートンカラーの美しいイルカです。くちばしが長いことからハシナガイルカと名付けられています。日中は50頭から100頭ほどの群れを作って、島の近くの岸沿いや入江の中でゆっくりと泳いでいることが多いです。ツアーで見られるのはこの沿岸で、休息している状態のときが多いです。

ハシナガイルカは夜行性で夜に餌を取りにいきます。大抵の場合、午後になると入江から沖合の外洋へと移動を初めて水深の深い海域まで行き、夜間に浅いところに上がってくる魚やイカを食べていると言われています。

ハシナガイルカはボートを見つけると、近寄ってきてボートの舳先を泳ぐことがよくあります(バウライドと呼びます)。まるでボートを先導してくれるかのように泳ぐのですが、これはボートの舳先が押し出す波に乗って泳いでいるとのことです。イルカにとっては楽しい遊びのようなものなのか、代わる代わるやってきてはボートの舳先を泳ぐ様子は、イルカ自体もハイテンションのように見え、見ている方も歓声が上がります。

ハシナガイルカ02

ボートの舳先を泳ぐハシナガイルカ、ボートが押し出す波に乗って泳いでいる。

このハシナガイルカのバウライドはよく見られるのですが、年に数回、信じられないくらいの美しい光景を見られることがあります。

奇跡のショット!空を飛ぶイルカ?

鏡のように凪いだ海、ボートの舳先でバウライドするハシナガイルカ

海況が安定する夏場に多いのですが、風や波がピタッと止まり、ベタ凪になることがあります。海面は、まるで磨き上げた鏡のようで、この状態のときにハシナガイルカがいると、それはとても美しく、まるでイルカが空を飛んでいるかのよう!

そして、海の表情は刻一刻と変化します。この写真を撮ったときは、太陽が雲に隠れて、海面の反射を抑えてくれたため、ボートにいる自分たちの姿が海面に写りました。それはまるで、イルカと私達がたちが空を飛ぶかのような信じられない光景でした

海面に雲と自分たちの影が映る。イルカと一緒に空を飛んでいるように見えた瞬間

ハシナガイルカの魅力はジャンプ!

ハシナガイルカのウォッチングの魅力の一つは、華麗なジャンプです。
ハシナガイルカの英名は、Spinner dolphin(スピナードルフィン)といいますが、これはスピンジャンプをすることからつけられています。華麗なスピンジャンプは、フィギアスケーターの羽生結弦選手顔負けです!

(最後の動画で回転数を確認してください!)

ハシナガイルカ05
ハシナガイルカ06

ジャンプするハシナガイルカ

日中もジャンプしますが、よく飛ぶのが午後から夕方にかけて沖へ移動をするときです。ジャンプを繰り返しながら沖へと泳いでいく様子は、まるでこれから狩りに行く自らを鼓舞しているように見えます。実際ジャンプしているイルカたちのお腹は赤みを帯びてるのですが、これは興奮状態を表しているようです。

ハシナガイルカ07

太陽が傾き海が黄金色に染まる中ジャンプするハシナガイルカ

それでは、ハシナガイルカの美しい映像をまとめましたので御覧ください。動画の中の水中映像は、走るボートから棒につけたカメラを海中に入れて撮っています。
この水中シーン以降の映像は、実際の1/4のスピードのハイスピード撮影です。
ハシナガイルカのスピンジャンプが何回転なのか!?
数えてみてください。

いかがでしたか?

ハシナガイルカは通年見られますが、海が穏やかになる夏から秋が、美しくないだ海でのハシナガイルカを見るチャンスです。夏の絶景、空飛ぶハシナガイルカを見に来ませんか?

南俊夫

写真家・ガイド

南 俊夫

22歳の時に初めて小笠原を訪れる。大学卒業後、設計会社に勤めるが27歳で父島に移住。以来、20年のダイビングガイドをしながら小笠原の自然を撮影し続ける。2011年からはアホウドリの保全活動にも従事しする。
作品は国内外の広告、出版物で使われ、2015年にはアメリカのネイチャーズベストマガジンの表紙を飾った。
著書
「イルカ海に暮らす哺乳類」あかね書房 
「僕はアホウドリの親になる」偕成社
受賞歴
2000年
ナショナルジオグラフィックフォトコンテスト入賞
2008年
米、ネイチャーズベストマガジンフォトコンテストOcean部門入賞
2011年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト2nd Place
2015年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト11nd Place

写真展
2012年6月
「コニカミノルタ環境企画展OGASAWARA未来へつなぐ自然展」 新宿コニカミノルタギャラリー
2013年11月
「海のシェルパ展 AQUANOTE」四人展 新宿ヨドバシカメラギャラリーINSTANCE
2015年10月
「小笠原の今を知る 南俊夫写真展」葛西臨海水族園
2018年10月「アホウドリ復活への挑戦 ~小笠原で行われたこと」品川キヤノンギャラリー
作品は下記ウェブサイトで見ることができる。

http://toshiominami.com/