小笠原の父島でシュノーケリングできる場所はいくつかありますが、街から近く、安全にできる場所のひとつに製氷海岸があります。
おがさわら丸の停泊する二見港から見るとちょうど対岸あたりで、町から歩いて20分くらい、村営バス+徒歩で10分くらいです。
島民も子連れで泳いだり、仕事の昼休みにシュノーケルしたり、夕方ビール片手に夕焼けを眺めたり、と島民の憩いの場でもあります。
ウミガメの研究施設である小笠原海洋センターのすぐ目の前の小さなビーチです。
車やバイクで来る方はここの駐車場に車を止めましょう。
海洋センターでウミガメを見てからシュノーケリングをするのも良いかもしれませんね。
海岸はサンゴの欠片と砂浜で、海に入ると目の前の海底は砂地ですが、少し泳ぐとすぐに、砂地の両サイドにエダサンゴの群集が広がっています。
海底火山の噴火でできた小笠原には、沖縄の島々のようなサンゴ礁隆起でできた島と異なって、リーフと呼ばれるような島を囲うような広大なサンゴ礁はありません。
島の所々にある小さな入り江で小規模なサンゴ礁が作られています。
その中でも、大ききな入り江になっている二見湾のこのエリアだけに、このスギノキミドリイシが大きなサンゴ礁を作っています。
サンゴ礁というと様々な種類のサンゴが重なり合うイメージがありますが、ここは、スギノキミドリイシがほとんどの範囲を締めています。
※見た目はほぼ一緒ですがスギミドリイシとオトメミドリイシという種も混じっているらしいです。
もちろん魚も多く見られますが、特に多いのはロクセンスズメダイ。
その他にもキイロハギやチョウチョウウオの仲間なども見られますし、夏には運が良ければアオウミガメも見られます。
9月末から冬にかけてはミズクラゲがたくさん見られます。
このミズクラゲは直径30センチほどにもなる大きなクラゲです。
クラゲというと毒があり、刺されると大変なことになると思いますが、このミズクラゲは毒が弱く、刺されても感じる人は少ないと思います。
また、大きなクラゲなので、泳いでいても避けることができるでしょうし、その存在に気付かずに刺されてしまうこともあまりないでしょう。(クラゲに刺されるときはほとんどその存在に気づかずに刺される場合がほとんど)
ときにはこんなに集まることもあって圧巻です。
無数のクラゲの中、ぶつからないように泳ぐのも一苦労ですが、幻想的で宇宙遊泳のような感覚になってしまいます。
また、製氷海岸は夕方には西日が入るので、日が傾くと、金色に美しく輝くミズクラゲが見られます。
小笠原では10月終わりごろまでは水温も高く、水着でシュノーケリングできますが、肌の保護のためにラッシュガードなどを必ず着ましょう。
また、海から上がった後は少し肌寒い日もあるので羽織るものを忘れずに。
みなさんもエダサンゴの絶景と幻想的なミズクラゲの群れる光景を見に行ってはいかがでしょうか!
製氷海岸
写真家・ガイド
南 俊夫
22歳の時に初めて小笠原を訪れる。大学卒業後、設計会社に勤めるが27歳で父島に移住。以来、20年のダイビングガイドをしながら小笠原の自然を撮影し続ける。2011年からはアホウドリの保全活動にも従事しする。
作品は国内外の広告、出版物で使われ、2015年にはアメリカのネイチャーズベストマガジンの表紙を飾った。
著書
「イルカ海に暮らす哺乳類」あかね書房
「僕はアホウドリの親になる」偕成社
受賞歴
2000年
ナショナルジオグラフィックフォトコンテスト入賞
2008年
米、ネイチャーズベストマガジンフォトコンテストOcean部門入賞
2011年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト2nd Place
2015年
米、ネイチャーズベストマガジン・Ocean Vewsフォトコンテスト11nd Place
写真展
2012年6月
「コニカミノルタ環境企画展OGASAWARA未来へつなぐ自然展」 新宿コニカミノルタギャラリー
2013年11月
「海のシェルパ展 AQUANOTE」四人展 新宿ヨドバシカメラギャラリーINSTANCE
2015年10月
「小笠原の今を知る 南俊夫写真展」葛西臨海水族園
2018年10月「アホウドリ復活への挑戦 ~小笠原で行われたこと」品川キヤノンギャラリー
作品は下記ウェブサイトで見ることができる。
書いた人の他の記事
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